第1部 高活性物質を取扱う設備での洗浄問題解決/洗浄評価・洗浄基準値設定、洗浄バリデーション、洗浄しやすい設備設計
(2017年1月30日 10:15~14:45)
高薬理活性物質をマルチパーパス設備で扱う事例が増えている。その場合の大きな課題の一つは、洗浄評価基準の構築である。
EU – GMPおよびPIC/Sからは、洗浄に関する改定最新版が相次いでいる。その共通的なことは、品質リスクアセスメントのために毒性学的な評価により得られる「健康ベース曝露限界値」を用いるということである。
ここでは、最新規制・ガイドラインの動向、高薬理活性物質を扱うマルチパーパス設備のあり方、健康ベースの曝露限界値の設定、数値シミュレーション事例、健康ベース曝露限界値を用いる洗浄評価への具体的な対応、今後の洗浄バリデーションのあり方、洗いやすい設計のポイントなどについて説明する。
- マルチパーパスプラントの洗浄を巡る課題
- 最近の規制改正の動きとその背景
- 明確となった専用化要件とマルチパーパス設備のあり方
- 今後の洗浄実務に要求されること
- 健康ベース曝露限界値を用いる洗浄評価
- 洗浄にかかわる最新規制の概要
- EU – GMP 専用化要件 (Chapter 3) /交叉汚染防止要件 (Chapter 5)
- EU – GMP Annex15 (含む洗浄バリデーション)
- EMAガイドライン PDE設定
- PIC/S GMP Annex15 Qualification and Validation
- 健康ベース曝露限界値
- 健康ベース曝露限界値を理解するための毒性学基礎知識
- 健康ベース曝露限界値の定義
- 健康ベース曝露限界値の計算式
- 不確実係数について
- 健康ベース曝露限界値によるリスクアセスメントツール
~OEL、ASLなど
- 健康ベース曝露限界値を適用する時の留意事項
- 健康ベース曝露限界値データを巡る今後の課題
- 従来の洗浄評価基準の問題点
- イーライリリー社の評価基準の問題点
- 洗浄評価基準を巡るいろいろな意見
- 健康ベース曝露限界値を用いた洗浄評価シミュレーション事例
- PDE (ADE) 基準/従来基準による許容残滓限界の比較
- 目視限界との比較
- その結果と考察
- 健康ベース曝露限界値を用いる洗浄評価への具体的な対応
- 持ち越し量閾値STVとその意味合い
- STVと目視限界、検出限界との関係
- STVが極端に低くなる場合への対応
- 前製品次製品の摂取経路が異なる場合の対応
- 治験薬への対応
- 既存製品への対応
~従来の0.1%基準・10ppm基準の取扱い
- 今後の洗浄実務
- 今後の洗浄バリデーションのあり方
- テストランの回数
- 洗浄の目標設定について
- 洗浄しやすいマルチパーパス設備の設計事項
- リスクアセスメント~洗いにくい箇所
- 洗いやすい設備設計の事例
- 洗浄負荷を軽減するための方策
- 付録
- 毒性学の基礎的な用語
- 医薬品開発の各ステージにおけるリスクアセスメントツール
(OEB、OELの設定時期)
- 封じ込めプロジェクトにおける曝露リスクアセスメントツール
- 質疑応答・名刺交換
h4. 第2部 ≪演習で学ぶ≫ 高活性物質の暴露許容値の設定とその活用
(2017年1月30日 15:00~17:30)
暴露許容値の設定は、作業者への暴露防止のためだけでなく、交叉汚染防止の観点からも必要となってきました。
本講座では、限られた情報からどの様に許容値を設定し、暴露防止や交叉汚染防止にいかに活用するかを、事例や演習を用いて紹介します。
- 高活性物質の取り扱い (概説)
- 暴露防止と交差汚染防止
- リスクの管理手法
- OEL、ADE/PDEの基礎と活用
- 基礎
- OEL、ADE/PDEとは
- 演習:OEL、ADE/PDEの算出
- 活用
- 現状の問題点
- 演習:設備や保護具の選定、洗浄基準の決定