本セミナーでは、セルロース系バイオ燃料の実用化技術の中で重要な “高効率・低コストなセルロースの前処理方法” について、国内でこの分野に取り組む最先端の技術者・有識者が現状と今後について詳解いたします。
日時
- 2011年4月25日 10時00分〜 2011年4月25日 16時30分
プログラム
第1部 国内外におけるバイオマス燃料利用の現状と課題 (10:00~10:50)
三菱商事(株) 新エネルギー燃料事業ユニット
シニアマネージャー 澤 一誠 氏
- 世界の運輸部門エネルギーとバイオ燃料の需要予測
- 日本のエネルギー安全保障を脅かすリスク
- 「新成長戦略」「新・エネルギー基本計画」「エネルギー供給構造高度化法」について
- バイオ燃料の持続可能性基準
- バイオマス発電の固定価格全量買取制度
- バイオマス活用推進基本計画
- 緑と水の環境技術革命総合戦略
- 各国の基準 (バイオ燃料導入義務化制度に伴なう評価基準)
- 第1世代と第2世代バイオ燃料の共生
- バイオマス産業分野での日本とアジアの連携、持続可能なバイオマスインダストリーの構築
- 質疑応答・名刺交換
第2部 第二世代バイオ燃料製造プロセスの現状と今後の技術展望 (11:00~12:00)
東京大学 大学院農学生命科学研究科
教授 芋生 憲司 氏
バイオ燃料は、エネルギー資源の利用節減、温室効果ガスの排出削減、および資源に乏しい我が国のエネルギーセキュリティ向上に寄与するものとして注目されている。しかし現在の主流である、糖質やデンプンから生産されるバイオエタノールと植物油脂から生産されるバイオディーゼル燃料は、食料との競合が懸念され、その持続性が疑問である。 これらのいわゆる第一世代バイオ燃料に代わり、木質や草本系バイオマスから生産される第二世代バイオ燃料が期待されているが、実用化するには解決しなければならない課題が多い。 本セミナーでは、第二世代バイオ燃料の生産がなぜ難しいのか、技術的課題は何か、課題を解決するためにどのような研究がなされているか、などについて初歩的な解説をする。またこれに関連する演者らの研究を紹介する。
- バイオ燃料の現状と課題
- 第一世代バイオ燃料の現状
- 第二世代バイオ燃料とは
- 原料の賦存量と収集・運搬の課題
- 製造プロセスの事例
- 急速熱分解によるバイオオイルの生産
- 間接液化 (ガス化→合成) による液体燃料生産
- リグノセルロース系バイオマスからのエタノール生産
- 研究紹介
- モザンビークでの持続的なバイオ燃料生産と環境保全を目指して
- 微細藻類からの炭化水素生産
- エタノール生産における糖化酵素使用量の低減
- マリンバイオマスからのバイオ燃料生産
- 質疑応答・名刺交換
第3部 バイオ燃料製造のための粉砕技術を基盤とした前処理技術 (12:40~13:50)
(独) 産業技術総合研究所 バイオマス研究センター 水熱・成分分離チーム
研究チーム長 遠藤 貴士 氏
木材等を原料として酵素糖化-発酵法によりバイオエタノールを製造するためには、木材の酵素反応性を向上させる前処理技術が重要となる。 本講座では、前処理技術を考える上で重要となるセルロースや木材の特性の概要、従来の前処理技術の概要と課題、産総研で研究開発を進めてきた粉砕技術を基盤としたメカノケミカル処理技術と酵素糖化性向上機構、産総研で進めているミニプラントの概要等について解説する。
- 産業技術総合研究所・バイオマス研究センターの概要
- 組織、重点課題、研究内容
- 木材・セルロースの特徴と前処理技術
- バイオエタノールの製造プロセス
- 木材・セルロースの特徴
- これまでの前処理技術とその課題
- バイオマス研究センターにおける研究紹介
- 古典的前処理技術 (粉砕処理) の再検証
- 粉砕処理による酵素糖化性向上機構
- 湿式メカノケミカル処理によるナノファイバー製造と酵素糖化性
- 湿式メカノケミカル処理の効率化
- メカノケミカル処理技術の利点
- 産総研の技術を集積したミニプラントの概要
- 粉砕処理を組み入れた大型試験プラントの概要
- ナノファイバーの応用/まとめ
- 質疑応答・名刺交換
第4部 イオン液体を用いたセルロース系バイオマス前処理法 (14:00~15:10)
神戸大学 大学院 工学研究科 応用化学専攻
教授 統合バイオリファイナリーセンター長 工学博士 近藤 昭彦 氏
バイオマスからのバイオ燃料の製造技術においては、最初の過程である原料の植物体の破砕 (粉砕) と、緻密なセルロース構造の破壊が、以後のエタノール発酵プロセスの収率に大きく依存する。一般的にセルロースはグルコースまで分解されれば、酵母などの微生物によってエタノールを生産することができる。しかし、セルロースは非常に難分解性であるため、そのままではほとんど分解されない状況である。 我々は、イオン液体と呼ばれる新しい種類の塩でバイオマス (セルロース) を処理することで、セルロースの構造を“軟らかく“することに成功し、機能性酵母の表面に提示されているセルラーゼ類によって効率的に分解することにも成功し、結果、一段階でエタノールを作る新しいプロセスを開発した。
- バイオマスによる循環型社会について
- 地球上のバイオマス資源について
- イオン液体とは?
- バイオマスについて
- バイオマスの構造
- 物理的前処理に関する基礎知識
- バイオマスの酵素分解について
- エタノール発酵について
- 微生物を用いたエタノール醗酵
- 細胞表層提示技術による効率的なエタノール生産
- 質疑応答・名刺交換
第5部 セルロース系バイオマスの連続熱水処理技術を用いバイオ燃料製造実証 (15:20~16:30)
三菱重工業(株) 交通・先端機器事業部
先端機器部 開発グループ 寺倉 誠一 氏
近年、脱化石燃料及び二酸化炭素排出削減に寄与する手段として、バイオマス資源をエネルギーや化学製品等として利用する研究開発が推進されている。当社は、2006年からNEDOとセルロース系バイオマスを原料とし、連続水熱分解と酵素法を組合せた高効率且つ低コストで糖化する技術の共同開発を行った。2008年から農水省ソフトセルロース利活用技術確立事業で、NEDOと共同開発した連続水熱分解試験装置を用いて兵庫県で原料の収集運搬からバイオ燃料製造までの一連の技術実証を一体的に行い、ソフトセルロース利活用技術の確立を図るべく取組んでいる。 ここでは、NEDO事業の開発概要、農水省事業での取組状況及び成果について紹介する。
- NEDO事業の開発概要
- NEDOとの共同開発
- ベンチ試験
- パイロット試験
- まとめ
- 農水事業の取組
- 農林水産省ソフトセルロース利活用技術確立事業
- 目標値の設定
- 収集運搬実証概要
- 実証体制
- 実証プラントの概要
- 実証スケジュール
- 実証試験設備
- 実証試験タイムチャート
- 実証試験項目
- 実証試験結果
- コスト試算条件
- コスト試算結果
- まとめ
- 質疑応答・名刺交換
会場
受講料
- 1名様: 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
- 複数名: 43,000円(税別) / 47,300円(税込)
複数名同時受講の割引特典について
- 2名で参加の場合、1名につき 7,350円割引
- 3名で参加の場合、1名につき 10,500円割引 (同一法人に限ります)