レオロジー (材料の流動・変形の科学) は、測定データを通じて理解するのが最も早道です。測定データをどう読み解くかで、製品の良し悪しの判定や製品開発につながります。本セミナーは、実際の業務に生かせるレオロジーとその測定に関する知識の習得を目的とします。難しい式は一切ありません。
第1部のデータの見方・考え方では、食品・化粧品・塗料・スラリー・高分子を例としますので、各分野の技術者の方々に大変役立ちます。第2部は、高分子の成形加工の技術者・研究者の方々に直接役立つ内容です。成形法に適した材料の粘弾性がわかります。第3部では粘弾性測定の実際をご覧いただきます。測定についても、実演を見るのが上達の早道です。
第1部. 「レオロジー測定でわかること」
(2017年3月10日 10:30~12:10)
- レオロジーの基礎 (すべて図示)
- 応力・ひずみ・ひずみ速度
- 流動曲線 (応力 – ひずみ速度) と粘度
- 粘弾性 (貯蔵弾性率G’と損失弾性率G”)
- 測定法の基礎 (測定時の注意点、データのまとめ方)
- 測定データの見方・考え方・活かし方
- 食品の例
- 種々の餅の弾性率
- ジュース・はちみつ・バターなどの流動曲線
- マヨネーズとケチャップのレオロジーの違い
- 化粧品の例
- クリームの流動曲線とぬり心地
- レオロジーを利用した製品開発例
- 塗料・スラリーの例
- 塗料・塗装工程における粘度の変化
- 塗料の流動曲線とたれ
- 塗料の硬化過程の粘弾性変化
- スラリーの粘弾性・流動曲線と安定性
- 高分子の粘弾性の測定例
第2部. 「高分子レオロジーの基礎」
(2017年3月10日 13:00~14:40)
- 高分子の粘弾性
- 粘度:せん断速度・温度・分子量・分子量分布による変化
- 弾性率:時間・ひずみによる変化、緩和弾性率の例
- 粘弾性:周波数・温度・分子量・分子量分布による変化
- 時間 – 温度換算則 (弾性率や粘度の重ね合わせ方)
- 高分子の変形・流動と成形加工
- 弾性と成形加工:ブロー・発泡・射出の成形性と成形不良
- 第1法線応力差とダイスウェルの関係
- キャビティー内の速度とせん断速度分布:射出成形における配向
- 長鎖分岐と粘弾性:ブロー・発泡成形性との関係
第3部. 「レオメータによる粘弾性測定のデモ」
(2017年3月10日 15:00~16:30)