乾燥・粉砕・造粒の基礎と各装置の選定法/スケールアップ、新しいトラブル対策

再開催を依頼する / 関連するセミナー・出版物を探す
会場 開催

本セミナーでは、乾燥・粉砕・造粒の基礎から解説し、乾燥・粉砕・造粒におけるトラブルの原因と対策、未然防止策、装置の選定方法・スケールアップについて詳解いたします。

日時

開催予定

プログラム

工業界において、固体粒子・液体・気体の混相流体系を扱う分野は少なくない。その中でも、乾燥、粉砕、造粒操作は、行程中にそれぞれの成分組成量、固体粒子の相互作用力関係が刻々と変化し、総合的に材料物性が著しく変化する単位操作である。 そのため、なかなか数値計算でのシミュレーションも容易ではなく、過去の経験と実際にやってみて分かる現象がいまだに多い  固体粒子とそれらの間にある気体、液体の相間関係は、スラリー、キャピラリー、フェニキュラー (Ⅰ、Ⅱ領域) 、ペンジュラーと区分され、その特性を研究されている。それによって乾燥原理や、粉砕原理、造粒原理が異なり、装置選定の有力な手がかりとなる。  例えば最終製品である「粉・粒、状の物質」にどのような特性を持たせたいかにより、採用すべき乾燥原理は決まってくる。正しい「合目的製品」を得るには、この原理を使った乾燥設備をプロセスとして採用し、システムを構築しなければならない。この判断を誤ると、液体は分離できて「いわゆる乾燥」は終了したが、製品が目的機能を発揮することができない場合がある。  粉砕操作、造粒操作も、目的は「サイズと形態」であり、粒径がそろっても、形態が異なり目的の機能が発揮されなければ、それぞれの操作を行う意味が無い。  本講習では「合目的」という観点から、それぞれの単位操作の現象と材料に対する影響を考察し、装置選定の考え方を示す。又発生している現象からどのようなパラメーターを使ってスケールアップしてゆくべきか、間違いの無いスケールアップの方法と実際を解説する。  特に現場で起こりうる「粉・粒であるが為のトラブル」を分類し、原因を推測、対策をどのようなタイミングで実行してゆくべきか、「エスケープルート」の考え方で説明する。特にコストパフォーマンスに優れたトラブル対策は、これからの機器運営の効率化と共に、重要な課題である。若いエンジニアが装置を運転する際に経験する「メンテナンスの必要性」に関しても、エスケープルート的トラブル対策は、大きな影響がある。  セミナーの中では「アクリル製小型粉体挙動実演モデル」シリーズを使って、実際に粉砕、造粒中の粉・粒がどのように装置の中で運動しているかを見る。運転パラメーターも聴講者に扱ってもらい、原因と結果を体感していただく。  乾燥、粉砕、造粒操作は、様々な分野を横断する基本的単位操作で有り、1つの分野では当たり前の標準手法が、他の分野では全く新しい試みである事も多い。又、異なる分野で同じ悩みが、同じ様なブレークスルー手法で解決される可能性もある。  多くの若い技術者が「腑に落ちる」ように、整理した形で粉粒に対する考え方を解説する予定である。

  1. はじめに
    • 粉・粒に関わる単位操作全体を俯瞰する。
      業界で扱われている粉体技術の影響、機能性粒子の活躍の状態を一部紹介する。
    • なぜ、粉を扱うプロセスにトラブルが多いのか。
      粉粒の「形状による分離現象」はなぜ発生し、それらはどうしたら排除できるのか? コストを抑えたトラブル対策は、どのような方法で構築するのか。
  2. 乾燥操作
    1. 乾燥操作の基本
      1. 乾燥原理の分類
      2. 乾燥カーブと主たるパラメーター
      3. 乾燥装置の分類
      4. 乾燥装置選定の考え方。
        • 濃厚懸濁液;スラリーはどう乾燥する?
        • 脱水ケーキはどう乾燥する?
        • 微細粒子はどう乾燥する?
    2. 乾燥操作の実際
      1. スケールアップ;直接乾燥分野
      2. スケールアップ;間接乾燥分野
      3. その他の乾燥分野
  3. 粉砕操作
    1. 粉砕操作の基本
      1. 粉砕原理の分類
      2. 粉砕機のパラメーター
      3. 粉砕装置の分類
      4. 粉砕装置選定の考え方
        • 硬い物質 (摩耗物質) にはどう対応する?
        • ナノオーダーにはどう粉砕する?
      5. 回分式粉砕分野
      6. 連続式粉砕分野
      7. その他の粉砕分野
  4. 造粒操作
    1. 造粒操作の基本
      1. 造粒原理の分類
      2. 造粒終点と主たるパラメーター優先順位
      3. 造粒装置の分類
      4. 造粒装置の選定。
        • ダマにならず溶けやすい粒の造粒。硬くしっかりした粒の造粒は?
        • 目的部位で分散し、粒子機能を発揮するための柔らかい造粒は?
      5. 機能性粒子の創成。表面改質、複合化。
    2. 造粒操作のスケールアップ。回分から連続操作。
      1. 造粒とバインダー
      2. 歩留まり向上と整粒
      3. 造粒操作をシステムとして考える
  5. 粉体機器のトラブル対応
    1. トラブルの原因、 (複雑な事象ほど、シンプルに分解する)
    2. トラブルの分類、実際の例を挙げて一緒に考える。
    3. トラブル解決例、答えは一つでは無いが、実例を紹介する。
    4. トラブルを予測し対策、エスケープルートの考え方。
    5. IT化にともなうトラブルの新しい可能性。
  6. おわりに
    • これから求められる「粒子挙動の見える化」。 数値シミュレーションの役割。
    • 体験したことを分類して応用が利くようにする為には?
    • この分野で、技術者が学べること。失敗から学ぶこと。
    • 粉・粒を扱う技術に求められるもの。

会場

江東区産業会館
135-0016 東京都 江東区 東陽4丁目5-18
江東区産業会館の地図

受講料

割引特典について