(2017年1月19日 10:00〜11:30)
フィラーの種類について述べると共に、樹脂複合放熱部材の材料構成とフィラーの役割、更に、高熱伝導化におけるパーコレーションの影響について述べる。放熱設計の重要性についても触れる。
(2017年1月19日 11:40〜13:10)
(2017年1月19日 13:50〜15:20)
フィラー充填複合材料は自動車、情報家電、電子機器、建築部材、包装資材など生活に欠かせない材料である。複合材料の要求性能に合わせてフィラーの種類、粒子径、充填量などの配合設計し、プロセス条件を最適化し複合材料が製造されている。この複合材料を製品化する上で最も重要なポイントは、配合設計だけではなくフィラーの表面処理と混練 (複合化) プロセスである。しかし、経験とこれまでの知見で複合材料が開発・製造されているのが実態である。 そこで本講演では、経験で行っている表面処理の理論とフィラーとポリマーの混練 (混合) のメカニズムを系統的に解説する。さらに、現在注目されているナノオーダーのフィラーについての混練のポイントを紹介する。
(2017年1月19日 15:30〜17:00)
パワーモジュールなどより高放熱が求められる製品においては、樹脂に高熱伝導を有する窒化ホウ素 (h – BN) を複合したコンポジット材料が用いられる。このh – BNは熱伝導率に異方性を有する。そのため放熱経路に沿って熱を逃がすためには、h – BN粒子の配向を制御する必要がある。h – BN粒子を70vol%と高充填してもh – BN粒子の面方向への配向が進むだけで厚み方向の熱伝導率は10W/ (m・K) と大きな向上は得られない。そこでh – BN粒子を凝集させたBN凝集体を配合してBN粒子の配向を制御すると50vol%の低充填量でも厚み方向の熱伝導率が16W/ (m・K) と大きく向上することができる。 さらに複合材料のベース樹脂に耐熱性の高いシアネートエステル樹脂を用い,柔軟性に富む可とう性フェノキシ樹脂を配合すると、19 W/ (m・K) の高い放熱性を確保しながら,耐熱性が高く,銅との接着性の高い複合材料を得ることができた。