個々の細菌は小さく目に見えないことから、その存在の認識は薄く、逆に感染症の原因因子として誤解されていることも多い。そのような細菌の特徴を知ることは、重要である。
本講座では、実際に細菌を扱うという前提で、主に人に病原性のある細菌を中心に「微生物の分類と性状」、「消毒法と滅菌法」、「種々の病原性細菌の性状」、「選択培地と非選択培地の違い」、「細菌の培養と同定に必要な培地」、「細菌集落の観察法」、「培養結果から考えられるその先の培養法」などを解説し、更に過去の講演で要望の多かった「微生物の分離、同定、評価のポイント」を詳説したい。
- 微生物、特に細菌培養のノウハウ
- 微生物を良く理解するために
- 原核生物と真核生物
- 病原微生物と非病原微生物
- 人工培養可能な微生物の種類
- 好気性菌と嫌気性菌
- 環境中の問題となる細菌とは
- グラム陽性菌
- グラム陰性菌
- 芽胞形成菌
- 偏性嫌気性菌
- 細菌培養用培地の種類と特徴、作成法
- 液体培地、固型培地、半流動培地
- 高層培地、斜面培地、半斜面培地
- 選択培地と非選択培地
- 選択培地を選ぶための基準
- 培地作成の実際
- 目的に合った培地の選択と調製法
- 目的に合った培養方法の選択
- 安全・正確な実験を置くなうための基礎技術
- 滅菌、消毒とは何か
- 滅菌・消毒は何のために必要か
- 滅菌と消毒の用いられる物理的方法と化学的方法
- 微生物の培養結果の超観察法
- 個々の細菌観察法:顕微鏡標本の作成法
- 細菌集団の観察法:培養集落の観察
- 細菌は全て培地上で集落を形成するか
- 培地上での集落観察の際の注意
- 非選択培地で培養後の細菌の単離の注意点
- 培地の色調等の変化から分かること
- 培地の変化から次にするべきことを推察する
- 細菌同定に必要な鑑別培養、血清学的・免疫学的手法
- 検出された菌が本来存在していた菌かどうかの評価
- よくあるトラブル・ミス事例から学ぶ細菌検査の基本操作のコツ
- 微生物汚染ルートの解明法
- 培養できるのは細菌だけではない
- 居たはずの菌が検出されなかった原因
- 培地調整のトラブルを防ぐコツ
- 菌が増えない、死んでしまった場合
- 同じ条件なのに違う結果になってしまう場合
- マニュアル通りに細菌を扱えない場合