(2016年12月22日 10:30〜12:10)
熱電変換は、その変換効率の低さゆえに特殊なケース以外ではほとんど実用化されてこなかったが、有機半導体の特性が向上するに従い、有機熱電材料の可能性が注目されてきている。それは、その困難さから再利用ができなかった低温の排熱利用に適するからである。製造にかかるコストとエネルギー消費量の低さも有機熱電材料の特徴である。 我々の研究グループでは、有機熱電材料の作製から、特性の評価、さらにモジュールの作製まで行っている。独自に設計開発した装置による特性の異方性評価手法や独自に設計開発したモジュールについて、あますことなく紹介する。
(2016年12月22日 13:00〜14:40)
本講演前半では、新規性の高い熱電材料を研究するために必要と考えられる基礎知識として、熱電材料や熱電変換素子のメカニズム、フレキシブルエナジーハーベスターのための熱電材料に特有の要求事項、熱電材料を評価するに当たって注意すべき点などを解説する。 後半では、我々が行ってきた広範囲な有機系熱電材料の探索研究の結果を概観しながら、有機半導体に対する従来的材料開発では高性能が得られる見込みが薄いことと、それを超えるための有望な材料系はどのようなものかを議論し、2種の有望材料系について我々の研究成果から実例を紹介する。
(2016年12月22日 14:50〜16:30)
有機熱電材料の性能が向上し、それらを使った素子の候補としてフレキシブル熱電変換素子が注目されている。本講演では、我々の開発している素子を中心に、フレキシブル熱電変換素子の現状と今後の展望についてお話しします。