(2016年12月13日 10:30〜12:10)
次世代リチウムイオン二次電池では、その高性能化が必須条件であり、高電位系電極材料の活用が求められています。例えば、現在提案されている正極活物質を安定して高電位で作動させるためには、その物質自体の安定性を向上すること、その表面を保護すること (電解液との反応を抑制すること) 、あるいは新しい電解液を開発することなどが必要となっています。 我々は、これまでとは全く異なる表面保護方法『自己組織化単分子膜』により、高電位で安定作動するリチウムイオン二次電池構成を見い出しました。5V級Ni – Mnスピネル系正極活物質だけでなく、他の正極活物質や負極活物質、さらには固体電解質などへの応用展開も可能になります。また、表面保護や活物質構造維持を実現する新規表面改質技術である『ガラスフラックス法』も概説します。いずれも工業化・量産化に優れ、低コストでの表面処理を実現できます。 これら表面改質方法は、様々な電池構成に応用するための材料設計の自由度が高いため、多様なリチウムイオン二次電池の性能向上を可能にします。
(2016年12月13日 13:00〜14:40)
リチウムイオン電池はモバイル機器のみならず電気自動車、電力貯蔵装置等、今後飛躍的に市場が拡大されるとの経済予測がある。電池の高性能化を目指した研究 開発が世界で盛んに行われている。一方で工業製品としての信頼性 (性能と安全性) は未だ十分とはいえず向上が求められている。 本講演では信頼性に最も関連する電解液を中心としてリチウムイオン電池の信頼性の現状、課題、対策等について議論し高性能電池開発の助としたい。
(2016年12月13日 14:50〜16:30)
リチウムイオン電池は、電気自動車などにも適用されており、市場が拡大しつつある。電気自動車の航続距離の増加の要求から、電池の高エネルギー密度化の検討されている。その手段の一つとして、電池の高電圧化がある。一方、高電圧化は、電解液の分解による寿命劣化などの課題がある。 本講演では、電解液溶媒に、耐酸化性の高い材料を使用することによる特性改善を検討した内容について報告する。