本セミナーでは、フェノール樹脂について基礎から解説し、最適硬化条件を得るための検討方法、硬化条件が成形材料の流動性、硬化速度、硬化物物性に及ぼす影響について詳解いたします。
熱硬化性樹脂の中で国内生産量が最大のフェノール樹脂に関して、その合成、硬化反応、物性について、演者らの研究成果を中心に概説する。 硬化前のフェノール樹脂であるノボラックの構造や分子量等の違いにより、硬化速度や硬化後のフェノール樹脂の物性が大きく左右される。よって、まず、ノボラックの構造や分子量等に影響を及ぼす因子を中心に紹介する。次に、最適硬化条件 (温度や時間等) を得るための検討方法を紹介し、硬化条件が成形材料の流動性、硬化速度、硬化物物性に及ぼす影響を紹介する。 次にフェノール樹脂の欠点である脆さを改善するための種々の考え方を紹介し、さらに、フェノール樹脂の難燃性の向上、異方性の低減、導電性付与に関する検討例を紹介する。