変形性膝関節症患者は、潜在患者も含めて3000万人とも言われており、高齢化が進む日本では年々増加の一途を辿っています。この疾患を如何に予防・治療するかは、高齢者の介護度に大きく関わり、強いては介護費用削減につながると期待されます。
講演では、本疾患の病態を述べ、それに対する保存的治療を中心にお話ししたいと思います。私自身は、なるべく保存的治療、必要なら最小侵襲手術を施し、人工関節は最後の手段と位置付けしています。保存的治療に係る薬剤、サプリメント、理学療法、装具の可能性を示し、これらを扱うメーカー各位にとってお役に立てるような講演にしたいと思います。
- 変形性膝関節症の疫学
- 年齢構成は?
- 性別分布は?
- 変形性膝関節症の病因・病態・鑑別疾患
- 一次性と二次性とは?
- 素因にはどのようなものがあるのか?
- 変形だけでなく随伴する病変にはどのようなものがあるか?
- 鑑別すべき疾患にはどのような疾患があるか?
- それらの診断方法について
- 変形性膝関節症の評価法
- 国内外の評価法を紹介する
- 現在の変形性膝関節症治療ガイドライン
- 変形性膝関節症の薬物療法
- NSAIDsの使い分け、軟骨に優しいNSAIDsとは?
- 高齢者に安全なNSAIDsとは?
- 慢性疼痛に対するオピオイド系薬剤の使い方
- 待望される薬剤とは?
- ヒアルロン酸Na注射剤の効果
- グルコサミンやコラーゲンなどのサプリメントの効果について
- 変形性膝関節症の物理療法・装具療法
- 急性期と慢性期の物理療法
- 足底板や膝装具の効果とそれらの適応は?
- 変形性膝関節症の手術療法
- 鏡視下手術で何が出来るか?
- 自家骨軟骨移植術、骨髄刺激法とは?
- 高位脛骨骨切り術
- 内側型変形性膝関節症に対する単顆置換術 (UKA)
- 進行例に対する全人工関節置換術 (TKA)
- 再生医療の現状
- 治験デザイン上の注意点、プラセボについて
- まとめ