部材の仮固定に頻用されるホットメルト接着材料は、高温では接着力を失ってしまうため使用に制約がある。
今回、「光で剥がれる機能」と「高温でも接着力を維持する機能」を両立する液晶材料を開発し、「ライトメルト接着材料」と名付けた。光剥離機能や耐熱接着機能が発現するメカニズムと、両機能を付与するための分子設計について詳細を述べる。
- 光と接着
- さまざまな機能接着
- 光に応答する高分子接着材料
- 光に応答する超分子接着材料
- 光による相転移
- これまでの光誘起相転移の研究
- 接着の剥離に応用した研究
- 光剥離接着材料に求められる要件
- ライトメルト接着材料
- ライトメルト接着材料の性能
- 光機能分子FLAPに至った経緯
- 励起状態におけるFLAP分子の動き
- 相転移の鍵となる光反応
- カラムナー液晶の活用
- 液晶の相転移温度
- 光反応の進行速度
- 接着力 (温度、光、ガラス親水性の効果)
- 液晶相で光励起されたFLAP分子の挙動
- 蛍光により非接触で接着状態を確認
- 加熱による接着性能の復元
- 界面における光吸収と糊のこり
- 性能と分子設計のまとめ
- ライトメルト接着材料の合成法
- 最近の研究から
- 応力集中を分子論的に考える
- レオロジーとメカノバイオロジー
- 応力プローブ分子としてのFLAP
- 局所応力イメージングへの挑戦