電磁的記録・電子署名 (Electronic Records/ Electronic Signatures, ER/ES) の管理を定めた米国FDAの21 CFR Part 11が発行され、20年経過しようとしていますが、その間に、技術や規制の状況が様変わりしています。 規制面では、このところ英国MHRA、米国FDA、PIC/Sから立て続けにデータインテグリティのドラフトガイダンスが発行されています。もともと臨床試験においては、GCPの原則に示されるように、データの完全性 (データインテグリティ) を確保することが必須であり、日本でも2013年にデータの信頼性を確保するためにEDC管理シートの作成が求められていますが、それと何が違うのでしょうか。 また技術面では、クラウドが近年になって重要なデータを置く例も増えてきています。クラウドのメリットを活用したいものの、バリデーションをどうすればよいのか、規制対応は大丈夫なのか、と悩むところです。 本講座では、まず電磁的記録・電子署名の管理要件及びコンピュータ化システムバリデーションの基本を体系的に理解したうえで、データインテグリティやクラウドなどの最近の動向にどのように対応していけばよいかを解説します。