近接分離原理に基づく凸最適化 (以下、近接分離最適化) は、L1ノルムのような微分できない関数を含む大規模凸最適化問題の解を効率的に計算する技術であり、信号処理・画像処理分野で幅広く応用されている。
本セミナーでは、応用例とサンプルコード (MATLAB) を紹介しながら、詳細な理論に立ち入ることなく、近接分離最適化を使いこなすためのポイントを解説する。後半では、講師が関わってきた発展的な応用についても触れる。
- 信号処理・画像処理と凸最適化
- 背景・歴史
- 凸最適化とは?
- 凸最適化の利点
- 近接分離原理に基づく凸最適化アルゴリズムとその応用
- 近接写像の導入
- 近接勾配法とスパース信号復元
- 交互方向乗数法とロバスト主成分分析
- 主-双対近接分離法と画像復元
- 発展的な応用例の紹介
- 色線形性を保つ正則化による色ムラ・偽色除去
- 画像の構造/テクスチャ成分分離
- フラッシュ/ノンフラッシュ画像合成
- 適応的主 – 双対分離法によるスパースシステム同定
- グラフ信号処理のための一般化全変動
- 確率的交互方向乗数法による効率的画像復元