残留許容値の考え方は、1990年代に提唱された「投与量基準」から、ICH Q9を踏まえた「毒性発現量基準」へと科学的議論に進展し、関連してICH M7ガイドラインも発行されたが、洗浄バリデーションのHow – toはまだまだ発展途上にある。
「適正回収率」に至っては関係法規・ガイドラインに記載はない。
このような状況での洗浄バリデーションについて分かり易く解説する。
- 洗浄は交叉汚染対策の一手段でしかない
- 洗浄対象物に思い込みをしない
- 非日常的作業後の洗浄にも留意
- ホールドタイム (CHT、DHT) の設定
- 洗浄バリデーション業務の進め方
- 洗浄バリデーションの妥当性確認・改善は継続する
- オンラインモニタリングの方向へ
- 残留許容値の設定
- 検出限度からの設定
- 洗浄能力からの設定
- 投与量基準
- 中毒量 (LD50) からの設定
- 毒性発現量基準
- 一日許容暴露量 (PDE) の算出法
- 職業曝露限界値 (OEL) の算出法
- 毒性発現量基準の方向性
- 治験薬には特別な配慮が必要
- 不純物・分解生成物の残留許容値
- 遺伝毒性不純物はどう考えるか
- ICH M7変異原性不純物ガイドライン
- 洗浄バリデーションに先立つ適格性評価
- 洗浄方法の留意点
- 手洗浄のバリデーション
- 洗浄剤選定の留意点
- サンプリング方法の留意点
- サンプリング箇所の設定
- 接薬表面積の算出
- 回収率試験の例
- 分析の留意点
- GMP査察での指摘事例
- 付録
- GMP事例集にある洗浄バリデーションの記載
- 原薬GMPガイドラインにある洗浄バリデーションの記載
- PIC/Sの推奨事項にある洗浄バリデーションの記載