2011年4月15日「よい塗布膜を得るための塗布・乾燥のノウハウと最適化」
塗布乾燥プロセスは、処理能力の高さ、低コスト性などの観点から、主要な製造技術として用いられてきた。プロセスの高品化および高速化は、生産効率の向上やコスト削減には不可欠な課題である。
本講座では、表面エネルギー等の塗布乾燥の基礎に基づき、プロセスの本質を理解することで高品位化・高速化を考察することを目的とし、塗布乾燥におけるトラブルを解決する能力を養う。また、日々のトラブルや研究開発における相談も可能です。
- 塗布膜形成の基礎
- 塗工液から塗布膜へ (塗布膜形成・溶剤の役割)
- 塗布・乾燥プロセス
- 濡れの基礎
- Youngの式、表面エネルギー、接触角
- ウェットプロセスの評価手法 (濡れ仕事と拡張係数)
- 様々な濡れ挙動
- 乾燥メカニズムと高品質化
- 乾燥を支配する拡散、蒸気圧、ラプラス力とは?
- 乾燥装置を最適化するには?
- 高品位な塗布膜を得るには?
- 乾燥速度を支配する要因
- 乾燥をコントロールするには?
- なぜ乾燥速度が一定なのか?
- 不均一乾燥はなぜ生じる?
- 高速乾燥へ向けた指針
- 高速乾燥と低速乾燥はどちらが有利か?
- 乾燥時間を短くするコツは?
- 塗布・乾燥トラブル対策 (発生原因を特定し解決策を見極める)
- 乾燥ムラ (塗布膜の面内不均一)
- 膜剥離 (ポップアップ)
- クラック (応力ミスマッチ)
- クレイズ (環境応力亀裂)
- フラクタル粘性指状 (VF) 変形 (界面付着性の劣化)
- 微粒子の乾燥 (ウォーターマークの形成)
- 質疑応答 (日頃のトラブル・技術開発相談に応じます)
2011年4月27日「乾燥操作の必須知識と塗布膜乾燥メカニズム」
乾燥操作の予備知識として湿り空気の諸性質、熱と物質の同時移動の典型例である湿球温度の概念、湿度図表を解説する。含水率、材料中での水分の保持状態を解説し、乾燥のメカニズムを考える。乾燥のメカニズムに基づいて乾燥速度の定量的な捕らえ方を講義し、乾燥時間を短くするコツを紹介する。また、組成偏析、材料の変形やクラックの発生、材料の表面平滑性、残留溶媒の低減方法に関して講述する。
多種多様な材料を乾燥するために数多くの乾燥装置が開発されているが、装置選定、装置設計、省エネルギーのポイントを解説する。次に、粒子分散系塗布膜の乾燥を取り上げ、膜の平滑性に及ぼす乾燥条件の影響、乾燥の指針を提示する。
講演の最後には乾燥操作のトラブルシューティングに関する質問を受け付ける。
- 乾燥操作の予備知識
- 乾燥操作の量的関係
- 物質収支
- 熱収支
- 湿り空気の諸性質
- 湿度と諸物性値
- 湿球温度の概念
- 断熱飽和温度の概念
- 湿度図表の使い方
- 乾燥操作の基礎知識
- 含水率
- 含水率の定義
- 平衡含水率
- 自由含水率
- 水分の保有状態と移動機構
- 水分の保有状態
- 水分の移動機構
- 乾燥メカニズム
- 乾燥特性曲線の概念
- 乾燥の3期間
- 限界含水率の重要性
- 乾燥速度の取り扱い
- 定率乾燥速度
- 通気乾燥速度
- 減率乾燥速度
- メカニズムに立脚した乾燥時間短縮
- 減率乾燥速度曲線の形の基づく方策
- 乾燥のメカニズムと品質保持
- 剥離、クラック、変形防止法
- 残留溶媒の効率的低減法
- 乾燥装置の選定と設計
- 乾燥装置の選定
- 乾燥装置の分類と特徴
- 乾燥操作の特異性
- 装置選定の考慮事項
- 乾燥装置の設計
- 装置容積の簡便計算法
- 乾燥装置の設計の基礎
- 乾燥装置のスケールアップの考え方
- 乾燥装置の省エネルギー
- 熱効率
- 指標「蒸発能力」
- 塗布膜乾燥のメカニズムと品質保持
- 組成偏析とバインダーの移動
- 表面平滑性の保持に関する乾燥モデル
- 粒子分散系塗布膜の乾燥
- 乾燥特性
- 表面平滑性に及ぼす乾燥条件の影響
- 乾燥のメカニズム
- 塗布膜乾燥の指針
- 乾燥操作のトラブルシューティング