(2016年12月12日 10:30〜12:10)
量子ドット (QD) は、スーパーハイビジョン時代のRec.ITU – R BT.2020規格を実現し、ディスプレイの色域を大きく広げることができる有望な材料です。有機ELと競い合いながら市場を拡大しています。 本講演では、QDが採用され始めているディスプレイ市場の状況を紹介し、QDの特徴を説明しながら、今後更に市場を拡大して行くために重要なCdフリーの方向を整理します。また、現在QDの市場には多くのメーカが参入してきており、各社はそれぞれ特徴のある材料と戦略で競い合っています。この状況も整理し、今後の市場動向を見通します。
(2016年12月12日 13:00〜14:40)
本講演では、カドミウムフリー量子ドットのナノ粒子において発現する特異な発光物性について概説する。物質としては、サルファイド系およびIV属系の半導体を中心に据え、話を展開する。各々の物質に関して、次に示す2点がハイライトされる。 発光波長可変を実現するパラメーターとして、組成・ドーピング・サイズの3点に着目し、構造と波長の相関を示す。 発光量子収率に強く影響を及ぼす表面の役割を実験的に示し、該収率増強に向けた表面制御技術の実践とその効果について議論する。 最後に、各波長帯において、発光量子収率の高い物質を中心に、ナノ構造と発光の相関を述べ、さらなる機能増強の可能性に言及する。
(2016年12月12日 14:50〜16:30)
量子ドットの発光原理や作製方法などの基礎から、実際に応用する時に必要な分散手法などの応用技術までを詳細に紹介する。 また、量子ドットだけでなく、ロッドや他の形状の量子材料の特徴を解説し、様々な応用分野について述べる。 特にディスプレイの応用に必要な各種マトリクス材料への分散手法、フィルム作製方法について詳しく解説し、あわせて量子材料の抱える課題とその解決方法を紹介する。