(2016年12月2日 10:30〜12:10)
高分子の延伸とは、フィルムもしくは繊維を温めて引き延ばすだけの単純な工程では有りますが、分子鎖が配向することによって高次構造が再構成され、物性も大きく変化するため、奥の深い技術です。 本講座では、延伸・分子配向・複屈折に関する基礎的概念をしっかり述べた上で、延伸によって分子を配向させ、結果として製品の複屈折を制御するための手法について述べる予定です。
(2016年12月2日 13:00〜14:40)
有機ポリマーと無機成分をナノレベルで混合したものを「有機 – 無機ハイブリッド」と呼ぶ。このようなハイブリッド材料には、それぞれの材料の相補的・相乗的な機能や、有機ポリマーあるいは無機物単独では見られない興味深い特性が期待できる。従来はゾルゲル法によりこれらの材料が作成されてきたが、最近、分子フィラーを用いることで、より簡便かつ多様な有機材料でもハイブリッド化することが可能となってきた。 本講演では分子フィラーによるハイブリッド作成の基本的な設計戦略と実施例を紹介する。さらに応用として、熱機械物性と低屈折率化、アッベ数と高屈折率化という樹脂の屈折率制御において相反する物性を両立する手法について説明する。
(2016年12月2日 14:50〜16:00)
これまでの一軸延伸フィルムでは面内複屈折ΔNxyと面外複屈折Pを同時に制御することは不可能であったが、複数のナノ粒子を用いることによって一軸延伸フィルムのΔNxyとPの値を同時に制御することが可能になった。 ナノ粒子を用いる3次元複屈折の制御方法について解説する。