第1部 ナノへのアプローチ方法と応用事例
(2016年12月13日 10:30〜12:30)
リアクティブブレンドやスピノーダル分解など様々なポリマーアロイの構造制御技術の基礎について講究する。できるだけ多くの事例を基に、構造と材料物性についても言及する。
- 相溶性と相図
- 相分解による構造発展と応用
- スピノーダル分解
- 反応誘起型相分解
- せん断依存相溶解・相分解
- 応用事例
- 航空機用CFRP
- 半導体パッケージ用接着剤
- 多孔質材料
- スーパーオレフィンポリマー
- PC/ABS
- PBT/PCアロイ
- 非相溶系の構造制御
- ブロック共重合とドメイン形成
- グラフト共重合によるサラミ構造形成
- リアクティブブレンドによる構造形成と応用
- in situ-formedコンパティビライザー
- 引き抜きによるbimodal粒径分布
- 引き込みによるナノサラミ構造
- 動的架橋による相反転とマトリックスのエラストマー化
- 応用事例
- スチレン系熱可塑性エラストマー (TPE)
- HIPS, ABS樹
- 耐衝撃性透明アクリル樹脂,
- 耐衝撃性ナイロン
- 耐熱老化性PLAアロイ
- 超塑性PBTアロイ
- 衝撃吸収ナイロン
- オレフィン系熱可塑性エラストマー (TPV)
第2部 ポリマーアロイの分子設計とナノ構造制御
(2016年12月13日 13:15〜14:45)
久々に高分子化学の基礎概念を復習して頂いて,“まやかし”ではなく,“本道にのっとった”材料設計法を思い出して下さい。本質に立脚した研究開発を目指していれば,短期的には日の目を見なくても,必ず天は味方してくれます。そのお手伝いを本講座は致します。
- ポリマーアロイの基礎
- ポリマーアロイの定義
- ブロック共重合体のミクロ相分離構造
- リビングアニオン重合による分子設計
(名前は知っているが難しそうなこの重合法の基礎概念の解説と企業化への実例)
- 線状ブロック共重合体
(ミクロ相分離構造の基礎概念を解説して,それを用いた光記憶デバイスの実例)
- 分岐ブロック共重合体
(従来のミクロ相分離構造をブレーク・スルーすべく,ブロックーグラフト共重合体のそれの発展例)
- 星型ブロック共重合体
(ナノ材料への展開が現実味を帯びてきた最近のミクロ相分離構造への最先端実例)
- ポリマーブレンドの相溶性と非相溶性
- 相図の熱力学的理解
(久々に熱力学の復習です)
- ポリマーブレンドの分類
(実用的観点からと学術的観点からの解説)
- 相溶領域の拡大
(光ーレオロジー測定による流動誘起相溶性を例に)
- 相溶性と非相溶性の一般化と特殊性
(誘電緩和挙動を例にして,相溶性の本質と物性の本質との関係を解説)
- 動的構造の一般化と特殊性
- ナノ材料への展開
- ミクロ相分離構造のナノ材料への応用
- 高分子の選択的完全分解性のナノ材料への可能性
- ポリマーブレンドの新たな動的構造の可能性
- ポリマーアロイのナノ材料への新展開
第3部 ナノポリマーアロイの分散相の粒径制御と相容化剤の選定
(2016年12月13日 15:00〜16:30)
日本では1980年代頃までに基本的なポリマーアロイ技術が確立されてきたが、2000年代以降、新たなナノ分散技術が開発され、高分子材料の設計に実用化が進められている。
本講座では、基礎的な相容化の考え方、分散相粒径制御の技術の実例について解説し、更に現在進行している「第四世代ポリマーアロイ」設計技術の動向についても紹介する。
- ポリマーアロイのモルフォロジーとは?
- 異種ポリマーの相溶性と相容性
- ミクロ分散とナノ分散
- 分散粒径を決定する要因
- ポリマーアロイ設計におけるトップダウン戦略とボトムアップ戦略
- モルフォロジーと材料物性
- 樹脂の衝撃強度に対する分散粒径と粒径分布の影響
- 衝撃強度/耐熱性/耐薬品性の同時改良樹脂材料の設計
- 樹脂ゴム材料表面外観特性の改良
- ブリード・ブルーム問題の改良とモルフォロジー
- 相容化剤の種類と活用事例
- 相容化の考え方と相容化剤の利用
- 相容化剤の系内合成とリアクティブ プロセッシング
- 個別樹脂ゴム材料へのカスタマイズ技術
- エンジニアリングプラスチックとポリオレフィン
- 植物由来樹脂への応用
- ゴム材料への応用
- ナノ分散技術の進展と「第四世代ポリマーアロイ」
- トップダウン戦略によるナノ分散アロイ
- ボトムアップ戦略によるナノ分散アロイ
- ナノ分散アロイの解析と粘弾性特性
- 「第四世代ポリマーアロイ」技術の進展と可能性