第1部 全固体電池の概要
- 構造、特性、動向など -
(2016年12月8日 10:00〜11:30)
リチウムイオン電池の全固体化は、有機溶媒電解質に起因する問題を解決するものとして期待されている。
講演では、リチウムイオン電池の全固体化に向けて開発された固体電解質、それらを使用した際に界面で生じる課題ならび解決に向けた取り組みについて紹介する。
- リチウムイオン電池の全固体化
- リチウムイオン電池の課題
- 全固体化への期待
- リチウムイオン伝導性固体電解質
- 硫化物固体電解質系全固体電池
- 硫化物固体電解質系における課題
- 正極界面におけるナノイオニクス
- ナノイオニクスに基づく界面設計
- 高出力界面の構築
- 計算科学からのアプローチ
- 酸化物固体電解質系全固体電池
- 酸化物固体電解質系における課題
- 全固体電池材料の薄膜化
- 粒界抵抗低減への取り組み
第2部 全固体電池の固体電解質設計における内部抵抗低減技術について
(2016年12月8日 11:45〜13:15)
- 車載用LLTO (全固体電池) の市場
- 固体電解質の分類
- 主な全固体電池の開発メーカーの概要
- ロードマップ
- 市場規模
- 東邦チタニウムのLIB材料開発の取り組み
- LIB用チタン酸化合物開発の経緯
- LLTOの紹介
- ぺロブスカイト型リチウムイオン伝導性酸化物
- リチウムイオン伝導のメカニズム
- 製造プロセス
- リチウムイオン伝導度の評価
- 機械的特性
- LLTOを用いた金属リチウム空気二次電池
- モーター駆動による空気電池のデモンストレーション
- 資源
- Li資源
- Ti資源
- 今後の展望
第3部 全固体リチウムイオン二次電池にむけた 水素化物系固体電解質の開発と電極/界面制御
(2016年12月8日 14:00〜15:15)
低炭素社会の実現に向け、蓄電の中核を担うリチウムイオン二次電池には大容量化と高耐久化が求められており、これらを両立する技術として全固体電池が注目されている。
本講演ではキー材料となる固体電解質として錯体水素化物に着目し、特長と課題解決のための技術動向を紹介する。
- 全固体リチウムイオン二次電池
- 全固体リチウムイオン二次電池の特長、課題
- 固体電解質の開発経緯
- 固体電解質としての錯体水素化物
- 錯体水素化物のエネルギー関連機能
- リチウム高速伝導
- 高伝導錯体水素化物材料の開発動向
- 錯体水素化物の課題
- 錯体水素化物 – 活物質界面制御技術
- 錯体水素化物 – 負極界面形成
- 錯体水素化物 – 正極界面の課題
- 酸化物材料複合による副反応抑制
- 低融点材料による電池内剥離抑制
- 高耐熱蓄電のとしての全固体電池
- 錯体水素化物を用いた150℃駆動実証
- 課題・今後の展望
第4部 透過電子顕微鏡による 全固体電池の構造・状態の評価・解析
~電子線ホログラフィーによる電位分布解析と電子エネルギー損失分光法による状態解析を中心として~
(2016年12月8日 15:30〜17:00)
高性能な全固体電池開発への社会からの期待について述べ、開発をサポートする最新の透過電子顕微鏡 (TEM) 技術を解説する。
特に、TEM内で全固体サンプル電池に電圧を印加しながら電子線ホログラフィーで電池内の電位分布を計測し、電子線エネルギー損失分光法でリチウム分布や他の元素の価数変化を求める研究などを紹介する。
- 全固体型電池の概要
- 固体電解質と全固体型電池
- 全固体電池の性能と課題
- 透過型電子顕微鏡の基本原理と構造
- 最先端の透過型電子顕微鏡技術と解析事例
- 走査透過電子顕微鏡 (STEM)
- 走査透過電子顕微鏡 (STEM) の基礎と収差補正装置
- 環状暗視野法 (ADF法) と環状明視野法 (ABF)
- リチウム原子列直視
- In situ電子線ホログラフィー
- 電子線ホログラフィーの基礎
- 大気暴露せずにTEM試料を作製する技術
- ホログラフィー電子顕微鏡内で電池に充放電させる技術
- 試料周辺の漏れ電場を考慮したシミュレーション技術
- 固体電解質内の電位分布解析
- エネルギー損失分光法 (EELS)
- エネルギー損失分光法 (EELS) の基礎
- 位置分解エネルギー損失分光法の原理と装置
- その場形成負極のリチウム分布解析および他の元素の価数分布解析
- まとめと将来のための新しい透過電子顕微鏡技術