スケールアップトラブルの原理を実例で示す。
晶析工程もトラブルが多い工程でスケールアップでは苦労をする。例えば含液率300%、濾過3日、乾燥5日などは晶析のレベルとしては最低である。スケールアップトラブルではない、ラボから問題でレベルの問題であるが「意識している」のかなと疑問に思う。サンプルは作れても工業化はできない。
最近、とんでもない晶析を数点持ち込まれたが、滴下晶析法と30%晶析法でほとんど普通の晶析にした。
また、晶析も含め化学の製造研究では何をしても、実験が早くないと個人的能力も上がらないし、製造レベルも上がらない。実験方法について話をする。
- スケールアップの原理
- 大原則は同じ事をすれば同じ結果という格言である。
- スケールアップトラブルはラボと同じ事をしてないから起きる。
- 実例を7つあげる。多分よく分かると思う。
- トラブル例
- 比表面積が1/10なることで時間が長くなる。トラブルの大半の理由。
- 分解量が増える、還流量が足りなくなる、反応がいかない。
- ラボではできるが現場でできない操作を工夫。
- トラブルの未然防止が上手く行った例。
- 分析ができず理屈が分からない例 (PG系化合物) 。
- 工業化における晶析
- 企業化では晶析はしたくない操作。
- 装置費は高くなり、生産効率が悪くなるので製品価格高くなる。
- トラブルの多い作業でもある。
- 滴下晶析
- 結晶多形の出し分け。
- 粒度分布のコントロール。
- 酸沈の濾過性改善。
- 30%晶析法
- 最近気が付いた晶析の万能法ではないかと思っている。
- 以上2つで上手く行かない晶析はないと思っている。
- 適用法、場合により幅広い応用思想が必要。
- 壁付着 (多いトラブル) は還流晶析
- 実験のスピードアップ
- 実験が早くないと研究員とはいえない。
- 正確な実験でないと早くない (データにならない) 。
- 個人のレベルアップ、技術のレベルアップ (ブレークスルー) の必須要因。
- スピードアップ実験法の説明。
学校の実験方法では製造研究はできない。
早く学校を忘れることは、製造研究者としての第一歩である。
正確に早い実験で技術文化を変えるのである。