製造業では研究、開発、量産、出荷後対応の各工程で実験や統計解析を行う必要があります。しかし、解析の基本原理を理解していないために解析手法や適用先を誤ったり、正しい結果が得られているのにその解釈・結論を誤ってしまうような例も少なくありません。
本講義では、最も基本的な統計的検定・推定をExcel関数を利用して自力できるようになることを目標に、基礎知識を準備したうえで、統計的推定の原理と解釈について説明します。
- 真値、測定結果、誤差
- 誤差は永久にわからない
- 真値も永久にわからない
- 全数検査と抜取検査
- 母集団と標本の違い
- 知りたいことと実際にわかることの違い
- 分布とはなにか?
- いろいろな分布
- 正規分布の特徴
- ばらつきとかたよりの違い
- 平均、分散、標準偏差の意味
- 分散、標準偏差の式で、なぜn-1で割るか?
- いつもn-1で割るとは限らない
- 標本数と信頼性
- 生データの分布と平均の分布の違い
- 測定を繰り返せばばらつきは減るか?
- 分散、標準偏差の式で、n-1で割ることの効果
- 平均をとれば、どんな分布も正規分布に近づく
- 実験の3原則
- 実験の反復
- 実験の局所管理
- 実験の無作為化 (ランダム化)
- 測定回数を決めるポイント
- 統計的検定・推定の原理
- 検定、推定とは?
- 第1種の誤り (生産者危険) と第2種の誤り (消費者危険)
- どの解析手法を選択すればよいか?
- 母平均の検定 (母分散既知の場合) : 製品を出荷してよいか?
- 母分散が既知、未知をどのように判断するか?
- 母平均の推定 (母分散既知の場合) : 「平均」の値はどのくらい信頼できるか?
- 両側信頼区間と片側信頼区間
- 信頼区間をどう解釈するか?
- 母平均の推定 (母分散未知、小標本の場合)
- 正規分布でないものの母平均を推定するとどうなるか?
- 母平均の差の推定 (母分散既知、大標本の場合) : 試料間の差があるといえるか?
- 母平均の差の推定 (母分散未知、小標本の場合)
- 無意味な有意差
- 測定を繰り返せば何でも有意差になる
- 母分散の推定: ばらつきは規格を満たしているといえるか?
- 正規分布でないものの母分散を推定するとどうなるか?
- 母分散の比の推定: 改良によってばらつきが減ったといえるか?