GMP対応工場の構築プロジェクトに参画した場合、ユーザーとしてまず実施すべきはユーザー要求仕様書 (URS) の作成である。URSの作成にはリスクマネジメント能力が要求される。要求と設計が不適切であると、以後の校正、保守点検に多大なタスクを要することになる。
失敗しないユーザーエンジニアリングを講師の経験から具体的に紹介する。
- ハードに関するGMPの要請
- 空調システムへの要請
- 清浄度の設定
- 施設専用化の要件
- プロジェクト業務
- ユーザーとエンジ会社の業務分担
- ユーザーが提示すべき事項
- リスクマネジメント
- 潜在危険と運転の解析手法HAZOP
- ユーザーが最初にすべきことはユーザー要求仕様書の作成
- GMP+GDP+IHの視点
- 配置計画
- 配置計画協議時のポイント
- 部屋と面積の確保
- 倉庫面積の設定
- 異物対策を考える
- 防虫対策を考える
- キャリブレーション
- 校正周期の設定
- メンテナンス
- 6種の保全方式
- 点検のタイミング
- 作業員が行う保全
- 点検時の留意点
- 保全・点検記録の活用
- 恒温恒湿器 (室) の留意点
今後のマルチパーパス医薬品製造設備では、取り扱う物質の薬理活性の大小を問わず、品質リスクと曝露リスクを科学的に管理していくことが必要とされる。
この際のツールが健康ベース曝露限界値である。
本講座では、最新規制の内容、健康ベース曝露限界値PDE (ADE) の概要、適用する場合のポイントと留意点、健康ベース曝露限界値から導出される各種アセスメントツール、洗浄バリデーションおよび環境モニタリングへの適用、洗浄しやすい設備の設計ポイントなどについて、演習を交えて説明する。
- マルチパーパス医薬品製造工場設備の課題
- 品質リスク・曝露リスク
- リスクを管理するための洗浄と封じ込め
- 科学的根拠に基づくアセスメント
- リスクベースアプローチの必要性
- リスク管理のための健康ベース曝露限界値PDE
- 最新規制の概要
- PIC/S-GMP 専用化要件 (Chapter 3 ) /交叉汚染防止要件 (Chapter 5 )
- PICS GMP Annex15 Qualification and Validation
- EU-GMPとの差異
- EMAガイドライン (PDE設定)
- 健康ベース曝露限界値を理解するための毒性学基礎知識
- 健康ベース曝露限界値を設定する過程
- 用量-反応曲線
- 各種用語
- 健康ベース曝露限界値
- 健康ベース曝露限界値の定義
- 健康ベース曝露限界値の計算式
- 不確実係数の設定
- 有効数字と丸め方
- 健康ベース曝露限界値データを適用する場合のポイント
- 品質リスク・曝露リスクアセスメントのための各種ツール
- 健康ベース曝露限界値の使われ方
- STV と目標洗浄レベルの設定
- OEL / DEL / CPTの設定
- 製品非接触部のワイプリミットASLの設定
- 現場でのモニタリング
- 洗浄バリデーション
- 目視検査基準VRLとスワブリミット
- 環境モニタリング
- 曝露リスク上の懸念される箇所
- モニタリング事例
- 洗浄しやすいマルチパーパス設備の設計
- リスクアセスメント~洗いにくい箇所
- 洗いやすい設備設計の事例
- 洗浄負荷を軽減するための方策
- 参考
- A1. 健康ベース曝露限界値を用いる洗浄バリデーションの流れ
- 質疑応答・名刺交換