第1部 IoT、スマート社会に向けた定置用蓄電システムのリアルタイム劣化診断
(2016年11月29日 12:30〜14:30)
リチウムイオン電池が登場してから四半世紀が経ちました。その後、10年程前にはリチウムイオン電池の安全性に注目が集まり、活発な議論と検討の末に高い信頼性の蓄電池制御技術が確立されてきました。
現在は、IoTおよびスマート社会の進展に伴い、それに対応する電池性能や、その制御技術が求められています。
中でも、機器に搭載されたバッテリーの導入/運用/交換の費用対効果に注目が集まっていますが、そのためには電池の劣化診断が不可欠であり、これを可視化する為にはリアルタイムな劣化診断・寿命判定が必要です。
本セミナーでは、IoTに適したリチウムイオン電池の用途とマネジメント方法、リチウムイオン電池の寿命劣化とその診断方法について、可能な限り体系的に説明します。
- IoT・スマート社会における定置用リチウムイオン電池の用途
- IoTとスマート社会
- スマート社会における定置用リチウムイオン電池の用途
- リチウムイオン電池の寿命と劣化
- リチウムイオン電池の寿命とは
- リチウムイオン電池の劣化のメカニズム
- 劣化によって起こる不都合
- リチウムイオン電池の劣化にまつわるユーザーサイドの課題
- リチウムイオン電池交換のタイミング
- リチウムイオン電池運用の経済性
- IoT・スマート社会における電池診断技術への要求事項
- センサーのコストは必要経費?
- 「取得データを全てクラウドへ」で本当に良いのか?
- 診断に利用するデータの不確かさは?
- 既知のリチウムイオン電池の劣化診断技術
- リチウムイオン電池劣化診断法の系統分類
- 各劣化診断法の概要
- 当社で検討する劣化診断技術
- 過渡的差電圧法の概要と特徴
- 過渡的差電圧法の応用展開
第2部 リチウムイオン電池の稼動時劣化診断技術
(2016年11月29日 14:45〜16:45)
従来から、電池内部インピーダンスとリチウムイオン電池の劣化には強い相関性があることは知られており、周波数領域において診断がなされてきた。
従来法では、電池を機器から取り外し、高価な測定器を用いる必要があったが、提案法は機器稼働時の電池電圧・電流から内部インピーダンスを推定する過渡現象モデリング法を適用し、専用の充放電回路を設けることなく、稼働時に劣化診断を可能としている。
提案法は、ワンチップマイコンでも実現でき、低コストであることから、携帯機器から自動車・大容量蓄電装置に至るまで、幅広く応用できる。
本講座では、提案法の技術的背景から、理論概略、簡易診断装置のデモンストレーションを含めた応用について説明する。
- 研究背景
- インフラストラクチャー研究センター
- 電力工学と過渡現象数値解析
- 雷による停電などの障害回避とコンピュータシミュレーション
- 電力工学の数値解析で培ったモデリング
- 過渡現象数値解析技術を電池劣化診断へ
- リチウムイオン電池の応用分野
- 電気エネルギートレンドは交流から直流へ
- 携帯用電子機器から系統用電力貯蔵設備まで
- 鉄道用大電力蓄電システム開発実績
- 回生エネルギー貯蔵による架線電圧安定化装置、劣化診断の必要性
- 劣化診断の必要性
- NEDO委託業務
- 安全・低コスト大規模蓄電システム技術開発
- 稼働時診断法の開発
- リチウムイオン電池の稼働時劣化診断
- 従来法と稼働時診断
- 従来周波数領域法:電池容量が大⇒劣化診断 (充放電) 装置高価・診断時機器停止困難
- 提案法:診断用充放電装置排除⇒稼動時充放電電流利用⇒稼働時診断⇒時間領域法
- 電気工学と電気化学工学とのコラボレーション
- リチウムイオン電池の過渡応答
- 稼動時特性は過渡応答⇒過渡応答と劣化の相関性を明らかに
- 従来の電池内部インピーダンスによる劣化診断と過渡応答の関連
- 過渡応答を表す電池をモデリング⇒モデルパラメータと劣化の相関性を明らかに)
- 過渡現象解析とモデリング
- 周波数領域と時間領域における過渡現象解析とモデリング法
- 時系列解析とモデリング (z変換)
- リチウムイオン電池等価回路
- 目的に応じた多段CR回路による電池等価回路表現
- 直列抵抗⇒瞬時変化。C・R定数⇒過渡応答 (波形)
- プロトタイプと応用例
- 直列抵抗簡易診断装置
- 鉄道用蓄電システム用リチウムイオン電池劣化診断装置
- 電動バイク走行試験による劣化特性測定と診断
- 太陽光発電用蓄電装置の劣化診断
- 簡略マイコン診断装置
- セル診断
- 劣化診断とSOC推定
- プロトタイプデモンストレーション
- システム実用化に向けて
- 産官学連携
- 今後の予定