第1部 ウェブの耳端位置・張力制御、巻き取り時の不具合事例とその対策
(2016年11月8日 10:00〜12:00)
制御は制御機器のみで構成されるものではなく、プラントやプロセスと一体になって制御系が構成される。制御性能を推定するには制御理論によるツールがあり、それを理解しマスターするとシステムの設計や企画が容易になる。
また不具合やクレームは理論を無視したり、それが成り立つ仮定を軽視していることによることが多い。
以上を理解してもらえれば幸いである。
- 制御とクローズド・ループ
- クローズドループ
- 安定と動特性
- 精度についての考え方
- ウェブにおける制御
- 耳端位置制御
- 構成と原理、
- 構成機器
- 張力制御
- 見当合わせ制御
- 品質管理検査装置
- 制御の不具合事例とその対策
第2部 巻き取りシミュレーションによる内部応力・巻ずれの発生メカニズムと対応策
(2016年11月8日 12:45〜14:45)
ウェブと呼ばれる各種のフィルムや紙の製造・加工プロセスなどにおいては、幅広・薄厚のウェブを高速・高精度でトラブルなく搬送し、巻き取ることが求められているが、実際の現場ではウェブの搬送や巻き取り時にウェブの横ずれ、しわなど多くのトラブルに遭遇する。
本講義では、ウェブの巻き取りシミュレーションを通じて明らかになってきたロールの層間すべり、巻き取り開始部やニップローラがロール内部応力に及ぼす影響、ロールの巻きずれについて、現象の特徴や発生メカニズム、低減策などについて説明する。
- ウェブ巻き取りの基礎
- ウェブの機械的特性
- 摩擦特性
- 走行特性
- 巻き取り欠陥,ロールの内部応力計算法 (Altmann, Hakiel)
- ニップローラの影響
- 巻き取りシミュレーションによるロールの内部応力分布
- ロールの内部応力分布
- 層間すべりの影響
- 巻き取り開始部
- コア弾性の影響
- ニップローラが巻き取りに及ぼす影響
- 巻き付き角によるロール内部応力分布の違い
- ロール内部スリップ
- NIT (Nip induced tension) の発生メカニズム
- ロールの巻きずれ
- コアの傾き
- 張力不均一
- 軸方向荷重によるテレスコープの発生過程
第3部 ウェブハンドリングにおけるテンション制御・速度制御の基礎とトラブル対策
(2016年11月8日 15:00〜17:00)
各種フィルムの加工装置においてテンション制御と速度制御が重要な役割を果たしているが、テンションコントローラとアクチュエータの種類と特長、張力制御に用いられるセンサのしくみとノウハウ、機械設計上のポイントおよびノウハウ、テンション制御のトラブル事例や応用事例などについて解説する。
- テンション制御
- テンション制御とは
- 機械制御部分と各部の役割
- テンション制御の基礎
- トルク制御と速度制御
- ダンサーローラによる速度制御
- 張力検出機による速度制御
- 速度基準の考え方
- テンション制御の方式
- テンション制御の種類、センサ、アクチュエータ
- テンション制御の種類
- オープンループ (半自動制御)
- クローズドループ (全自動制御)
- 手動制御
- 半自動制御
- 全自動制御
- テンションセンサ (張力検出器)
- 張力検出器のしくみ
- 張力と荷重の関係
- 材料・条件に応じた張力検出器の選定
- 材料角度の影響
- 張力検出器の設置と取付上の注意点
- テンションメータとテンションアンプ
- ゼロ調整とスパン調整
- アクチュエータの種類・特徴と張力制御
- パウダクラッチ/パウダブレーキの動作原理
- 各種アクチェータの種類と特徴
- ライン制御とアクチュエータ
- 材料・条件に応じたアクチェータの選定
- 機械のメカロス補正
- メカロス発生の原理
- メカロス発生の条件
- 巻出し制御での不具合事例
- メカロス補正について
- モータ制御によるメカロスキャンセル
- トルク変動とハンチング
- テンション制御における不具合事例
- 定張力による不具合
- 巻き締まり不具合
- 定トルクによる不具合
- 新テンションコントローラ
- 新機能紹介
- 応用例