導電性ペーストにおけるフィラー分散技術と材料設計

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本セミナーでは、フィラー分散やペーストのレオロジーから、電気伝導および熱伝導特性の発現に関する学術的基礎までわかりやすく解説いたします。

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プログラム

エレクトロニクスデバイスの高性能化や多様化に対応して導電性ペーストの使用が拡大すると考えられています。導電性ペーストには主として低温実装への対応を主眼とする樹脂結合型ペーストと、パワーデバイスのダイアタッチのような耐熱接合への応用が主眼となる非樹脂型ペーストに分類されます。また、これらのペースト材料はプリンテッドエレクトロニクスの分野でも配線・電極形成用材料として重要な役割を担うことになります。  このようにアプリケーション側からの期待が高まっていますが、導電性ペーストの導電機構など学術的基礎については未だ不明な点が多く残されており、材料開発や不良解析などを行う上での妨げになる場合があります。本講演では、現状での学術的理解に基づいて主として電気および熱伝導特性の観点から導電性ペーストの全体像を解説したいと思います。フィラー分散やペーストのレオロジーから、電気伝導および熱伝導特性の発現に関する学術的基礎まで平易に紹介します。

  1. はじめに
    1. 導電性とは
    2. 導電性ペーストの分類
    3. 導電フィラーの種類
  2. フィラー分散系の電気輸送現象の解析モデル
    1. 有効媒質近似
    2. パーコレーション理論
    3. 動的パーコレーションの考え方とモデル化の実情
    4. フィラー分散系の輸送特性の決定因子 ~フィラーの分散構造と界面抵抗~
    5. 従来のフィラー間導電コンタクトモデル
    6. 焼結型コンタクト
    7. 電子の局在状態,弱局在状態,非局在状態で引き起こされる導電現象
  3. フィラー分散技術の基礎
    1. 界面で作用する種々の分子間力
    2. 粒子表面の帯電現象
    3. 立体障害効果
    4. 溶解度パラメータを利用した分散性予測
  4. ペーストのレオロジー
    1. レオロジーの基礎
    2. ニュートン流体と非ニュートン流体
    3. 流動曲線の解析
    4. 回転数制御測定と応力制御測定
    5. レオロジー特性から考察するペースト中でのフィラーネットワークの性質
  5. 非樹脂系導電性ペーストのキュアプロセス
    1. 金属ナノ粒子の熱力学
    2. 融点降下と低温焼結の熱力学的説明
    3. 金属ナノ粒子の低温焼結現象
    4. 金属ミクロ粒子の低温焼結現象
    5. 非樹脂系導電性ペーストを用いた焼結型接合技術
  6. 樹脂結合型導電性ペーストのキュアプロセス
    1. 硬化・冷却収縮との関連性
    2. バインダの硬化反応挙動との関連性
    3. 導電パス形成は界面現象によって支配されている
    4. 界面ケミストリを変化させることで引き起こされる電気伝導特性変化
    5. 界面導電コンタクト発達の速度論
  7. 界面化学現象を意識したペースト設計
    ~大気キュア可能な樹脂結合型銅ペーストを例として~
  8. 導電性ペーストの熱伝導特性
    1. 熱伝導のキャリア
    2. 伝導電子の寄与とフォノンの寄与
    3. フィラー分散系の熱伝導特性を解析するためのモデル
    4. 熱流からみた導電性接着剤中の電子の局在性
    5. 導電性ペーストにおける電気伝導と熱伝導の関連性の整理
  9. おわりに

会場

江東区役所 商工情報センター (カメリアプラザ)
136-0071 東京都 江東区 亀戸2-19-1
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