当然のことですが、製品の魅力を高めるには、設計時品質をきちんと作り込むことが重要です。この設計時品質には、品質として頻繁に言及される客観的品質もありますが、感性のような主観的品質もあります。ユーザ中心設計というアプローチは、この両方の品質の向上を目指します。主観的品質は、一般の品質管理の枠組みの上に載せるのは困難ですが、感性という心理作用の特徴を理解し、その評価や計測の手法を活用して魅力づくりに力を注ぐことが重要です。
本講座では、ユーザ中心設計と感性工学という二つの重要なアプローチを解説します。
- 製品作りの基本
- UXという考え方
- UXの評価法
- ユーザ中心設計とは
- 基本的な考え方
- ユーザの多様性
- 設計プロセスと開発プロセス
- 利用プロセス
- ユーザの特性や利用状況を理解する
- 既存の人工物についての利用実態の分析
- フィールドワーク
- 現場における実ユーザに対するインタビュー調査
- インタビューデータから情報を得る
- ユーザの要求事項を整理する
- 目標ユーザという考え方
- ペルソナという手法
- シナリオやカスタマージャーニーマップという手法
- 発想
- 拡散的思考と集約的思考
- オズボーン法の活用
- デザイナとのコラボレーション
- デザインによって解決する
- 反復的デザインによる収束
- プロトタイピング
- デザインの適切さを評価する
- 多様な評価法
- インスペクション
- ユーザビリティテスト
- 能動的インタフェースと受動的インタフェース
- 感性と感性工学
- 感性という概念
- その歴史的変遷
- 多様な定義
- 感性工学と感性科学
- 感性と認知・感情
- 知覚や認知の心理学
- 感情の心理学
- 感性情報処理と生理学的基礎
- 感性の評価・計測
- 心理学的手法
- 人間工学的手法
- 生理学的手法
- 感性体験
- 多様な体験の表現
- 美しさ
- 可愛らしさ
- 感性とクリエイティビティ
- 制約条件とクリエイティビティ
- 暗黙知と顕在知
- クリエイターの特性
- 感性とビジネス
- 消費者行動論
- 作り手の感性と受け手の感性
- 感性の訴求力と持続的魅力
- コーポレートイメージとメディアの活用
- 感性とこれからの社会
- 感性価値創造イニシアティブ
- 感性ビジネスと社会