知的情報処理の最前線

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世界中で隆盛を極める人工知能、機械学習の発展、そのブームに乗り遅れてはいけないと慌てている人もいるかもしれない。しかし、実はその原理は単純明快で、実装する方法も簡素に整備されている。実例を通して、機械学習の可能性を感じてもらいたい。  特に、機械学習のブレークスルーとして有名な、深層学習をプログラムで実装することで、その可能性を自分の能力へと昇華させることを目指す。深層学習は、複雑なデータを自動的に処理したのちに予測するシステムとして顕著な成果をあげた一方で、肝心の我々人間自身の発展にどれほど有効なのだろうか?データから本質的な部分を解析して見える形で取り出せる技術こそが重要なのではないだろうか。それがスパースモデリングである。数少ない本質的に重要な部分を抽出する変数選択や、少ない情報から本質的な部分を明らかにすることで、大きな情報利得を得るのに役立つ圧縮センシングなど、今後のセンシング社会におけるテクノロジーを支える根幹技術を紹介しよう。  機械学習にしろ、スパースモデリングにしろ、背後では大量のデータ、または高次元で複雑な情報を処理する計算機の発展に支えられている技術だ。それではその計算機の将来はどうなるのであろうか?世界中で競争が始まっている最先端の計算機開発の現状を知ることで、これからの世界が向かっていく方向について考えてみよう。  現役の研究者が、他では聞けない熱くわかりやすい語り口で、最先端の研究内容を語る。元予備校講師という変わった経歴も見逃せない。乞うご期待。

  1. 機械学習って何?
    1. データから学ぶ (回帰の基本)
      • 実験をして、その結果から法則を得る。そうだグラフを書いてみよう。このグラフは何関数?自動的に答えることができたら、どんなに便利だろう。明日の天気を決める法則もそのグラフからわからないだろうか?回帰の基本的な概念の導入をします。
    2. 陣地を決める (識別の基本)
      • 犬と猫の境目はなんだろうか?似ているけど違う、その違いはどこにあるだろうか?それを調べることで動物の識別、特定の疾病が発症しているかどうかを予測する識別のお話をします。
    3. 理解するとはなんだろうか (人間と機械の知能の違い)
      • 機械が自動的になんでも判別することができるようになると、厳しい人たちは口をそろえてこう言います。「機械に本当のことはわかっているのか?」少し考えてみましょう。人間と機械の付き合い方を考える時間です。
  2. 深層学習って何?
    1. より複雑なものを学ぶには?
      • やりたいことが複雑になればなるほど、その方法は難しくなる?いいえ、掛け算も割り算もなんとか関数も基本は足し算と引き算だったように、単純なものを繰り返して複雑なタスクが実行できます。そうしてできたのが深層学習です。
    2. なぜ今までできなかった?
      • そんな複雑そうで単純な深層学習、なぜ今頃大ブレークしているのか?
        実は幾つかの理由がありました。では今は実現できるのはなぜか、その秘密を教えちゃいましょう。
    3. 実はとっても簡単!深層学習実装編
      • 機械学習のライブラリは揃っているので、帰ったらすぐみなさんも深層学習ユーザーに。そこから新しいことを始めようというきっかけにしましょう。
  3. スパースモデリング
    1. 深層学習で人は賢くなれるのか?
      • さて深層学習で、なんでも自動的に予測をしてくれるようになったとして、その予測に関わっている重要な要因となっていたものは結局なんだったのでしょうか。それがわからずして、我々は納得できるでしょうか?
        本当に知りたいのは、そこじゃないでしょうか?それに答えるためのスパースモデリングという新技術について紹介します。
    2. そのデータの本当に重要な要素は何か?
      • どんなに複雑なデータであっても、実は本質的に重要な部分は数少ないんじゃないか?そこを抽出しさえすれば、そのデータを取り巻く現象を理解したと言えるのではないか?物事を理解しやすい形に整形してくれる技術、それがスパースモデリングです。
    3. 圧縮センシングによる計測革命
      • データ解析に使えるだけじゃないスパースモデリングのもう一つの側面について紹介しましょう。せっかく撮ったデータ、ちょっと解析するには少なすぎたかな?何が結局得られたかわからないようなデータ。そんなデータを復活させることができるなんて言われたらどうですか?データが示す本質的な部分を抽出することによって、少ないデータであっても十分に解析しうるクオリティまで復元することができる。そんな技術を使って、計測機器の革命を起こしましょう。見えないものが見える世界へようこそ。
  4. データ駆動型科学から社会へ
    1. データ駆動型科学の発展
      • 機械学習やスパースモデリングの技術により、人間はデータから新しい知見を見出すことが容易になりつつあります。多くの計測データから未発見の現象や物質を発見することでデータ駆動型の科学が始まっています。
    2. 最適化問題が世界を変えるデータ駆動型社会
      • その機械学習やスパースモデリングもどちらも「データにあった最も優れた組み合わせや数値をはじき出してくれ」と最適化問題という共通した問題意識から発展しました。これからはセンサーの小型化により、大量に計測したデータから社会インフラから全てが、人間の活動に有利なように最適で快適な方向へと誘導してくれるでしょう。そのとき必要な問題意識は、やはり最適化問題です。
    3. 新しい計算パラダイム、量子アニーリング
      • その最適化問題を解くことがこれからの社会を作っていく基本技術であるとしたら、その最適化問題を高速に精度よく解く専用のマシンがあると良いことに気づきます。世界はすでにその方向に動いています。それが量子アニーリングと呼ばれる計算技術です。日本人が開発した新技術について最後少し触れることにしましょう。

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