遺伝子治療薬開発における最適なベクター選択と安全性評価

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プログラム

第1部. 遺伝子治療薬開発のための試験の進め方

(2016年10月31日 10:30〜12:00)

近年、欧州では遺伝子治療の臨床開発が進み、複数の遺伝子治療が医薬品として承認を受けている。ただ、日欧米3極における規制の違いから、これら遺伝子治療薬を我が国で開発することは容易ではない。本講演では開発者の立場から我が国での遺伝子治療薬開発試験の進め方を考える。

  1. 遺伝子治療薬の概要
    1. in vivo遺伝子治療
    2. ex vivo遺伝子治療
    3. ゲノム編集技術
  2. 品質 ・原材料の適格性
    1. 特性及び規格
    2. 安定性試験
    3. バリデーションとベリフィケーション
  3. 臨床安全性試験
    1. 一般毒性試験
    2. 造腫瘍性試験
    3. 製造工程内不純物の安全性評価
  4. 臨床試験
    1. 試験デザイン
    2. カルタヘナ対応

第2部. 遺伝子治療用ベクターの体内動態制御

(2016年10月31日 12:30〜14:00)

アデノウイルス (Ad) ベクターは、遺伝子治療において最も汎用されているベクターである。このAdベクターは、静脈内投与した場合、大半が肝臓に分布する。その為現在は、癌組織などの標的部位に対する局所投与で用いられている。本講演では、Adベクターの体内動態を制御するためのDDS技術について我々の研究を中心に紹介する。

  1. アデノウイルス (Ad) ベクターの特徴
    1. Adベクターによる遺伝子導入メカニズム
    2. ファイバー改変型Adベクターによる遺伝子導入
    3. ファイバー改変型Adベクターを用いた癌遺伝子治療
  2. PEG修飾による体内動態制御型Adベクターの創製
    1. PEG化Adベクターの作製
    2. PEG化Adベクターの遺伝子導入特性
    3. PEG化Adベクターのin vivo体内動態解析
    4. PEG化Adベクターのin vivo遺伝子発現解析
    5. PEG化Adベクターのin vivo癌遺伝子治療
  3. 腫瘍特異的プロモーターによるAdベクターの遺伝子発現制御
    1. TERTプロモーターによるin vivo遺伝子発現評価
    2. TERTプロモーターを用いたPEG化Adベクターによるin vivo癌遺伝子治療
  4. 標的組織指向性Adベクターの創製
    1. RGDペプチドを付与したPEG化Adベクター
    2. CGKRKペプチドを付与したPEG化Adベクター

第3部. 遺伝子治療薬開発での安全性等の評価のポイント

(2016年10月31日 14:10〜15:40)

 遺伝子治療製品の開発において、挿入変異による白血病発症や過剰免疫応答と考えられる重篤な副作用が認められたことから、その安全性評価が特に注意を要する。また、挿入変異のように必ずしも非臨床試験でそのリスクが明確にならないこともあり、そのために長期に亘る患者のホローアップが重要とされ、この点は他の製品と安全性評価の観点が大きく異なるところである。  さらに、ウイルスベクター作製に関連する安全性として、セルバンクや培養工程からのウイルス汚染のリスクについても注意が必要である。特に腫瘍溶解性ウイルスベクターでは、製品そのものが増殖性を持つウイルスであることから従来のウイルス安全性では対応が困難な部分もある。これらの点についても触れたい。  さらに、有効性を示唆するデータをどのように取得するにかついても考察する。

  1. 遺伝子治療製品の安全性
    1. 品質評価と安全性
    2. 遺伝子治療製品におけるウイルス安全性試験
  2. 非臨床試験
    1. 非臨床試験における安全性評価
    2. 造腫瘍性評価
    3. 腫瘍溶解性ウイルスと安全性評価
    4. 有効性を示唆する試験
  3. 長期ホローアップ

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141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
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