近年の医薬品化合物には、必ず結晶多形が存在すると言っても過言ではない。その転移挙動や評価に適した分析法は化合物に依存し、教科書のように単純ではないことも多い。
本講座では結晶多形をいかに適切に評価するか、背景にある理論をふまえて解説する。
また非晶質は結晶多型の一種であるが、難水溶性薬物の開発形態として、その有用性は高まる一方である。非晶質の評価には結晶多型とは異なる知識が要求され、その解説も行う。
- 物性評価概論
- 目的に応じた物性評価
- 物性評価各論
- 結晶多形
- 結晶多形の基礎と熱力学
- 結晶多形評価の重要性
- 結晶多形が物性に及ぼす影響
- 結晶多形の評価法
- 安定形の決定
- 転移温度の求め方
- 結晶多形の高速スクリーニング
- 塩
- 共結晶の調製法と物性
- 共結晶のレギュレーション上の扱いについて
- 吸湿性、水和物
- 吸着水・結晶水・層間水
- 水分含量の評価法と注意点
- 複雑な水和挙動の評価
- 溶解度
- スクリーニング溶解度と平衡溶解度の違い
- 溶解度スクリーニングの注意点
- 難水溶性化合物の可溶化
- 可溶化と膜透過性の関係
- 非晶質
- 非晶質の基礎
- 非晶質製剤の調製法
- 非晶質の物性
- 非晶質製剤の設計・評価法
- 非晶質による過飽和効果・経口吸収促進
- 構造緩和
- 結晶化