本講座は医学・保健学・看護学・生物学・心理学などの実務・研究者や関連の職種 (メーカー) の方を対象に統計学の概念からデータのまとめ方と考え方を理解いただくことを目的とする。
- 各種の論文に記載されている統計結果の意味が分からない。
- 論文作成に必要な統計処理方法が選択できない。
- ソフトの統計解析結果が理解出来ないので正しいのか分からない。
などを聞く。
それらを攻略するために、データ収集方法から母集団と標本による統計量の違いを知り、記述統計の指標 (代表値や散らばりや関連) から要約統計量を整理する。その結果の比較からその有意性と信頼区間を知ることで統計的検定と推定を理解していただく。これらを基本にして分散分析手法 (一元配置・二元配置) 、多重比較を学習する。更に特異度と感度の関係からROC分析を理解していただく。臨床では必須の基準範囲や判断値、オッズ比にも触れる。
この講座を修了することで文献の読破と自信を持った論文の作成とプレゼンに役に立つことを期待する。スライドと拙書を教科書として簡単な計算を行い理解を深めていただきたい。
- 論文・学会発表での統計学の役割
- データの種類とStevens尺度 … 尺度を理解することで解析が有利になる
- パラメトリック法とノンパラメトリック法 … この2法を選別できるように
- 母集団と標本の関係 … 誤差の大きさとデータ数の関連を知る
- 1変数の統計
- 代表値とばらつきの統計量、標準誤差と信頼区間、分布の形状 (歪と尖り)
- 分散の加法性 … 分散という統計量を身近に
- 度数分布表と箱ひげ図
- 正規性 … パラメトリック法の基本
- 外れ値処理 … 外れ値の処理は重要です
- 2変数間の関係と予測
- ピアソン相関係数とスペアマン順位相関係数 … この2つの相関係数を武器に
- 決定係数 … この指標の意味は?
- 相関係数と因果関係
- 回帰直線 y=a + b・x
- 回帰式の誤差と信頼区間、残差分析、Durbin-Watson比 … よく使う指標を詳しく!
- 検定と推定の基礎 対立仮説と帰無仮説
- 代表値に関する検定
- 母平均値の検定 … 目標値との比較にはこれ
- 独立2標本の平均値の差 Student-tとWelch-tの方法 … よく使うt検定!?
- 対応2標本の平均値の差 Paired-t … よく使うt検定!?
- 2標本の代表値に関する検定 … ノンパラメトリック法
- 独立2標本の代表値の差
- 対応2標本の代表値の差
- 分散に関する検定
- 母分散
- 分散比 … F検定です
- 度数・分割表に関する検定
- 適合度
- 独立性 (関連性)
- 分散分析法 (一元配置、二元配置) … この手法は必須です
- 多重比較 (Bartlett法、Dunnett法)
- 比率に関する検定
- 母比率
- 独立2標本の比率の差
- 対応ある2標本の比率の差
- 2×2表から統計量 感度と特異度など
- ROC分析の基礎と概念
- 生存分析の基礎と概念
- 技術的性能と有用性の評価法
- 精密さの評価
- 正確さの評価
- 基本的性能評価
- 不確かさ評価
- 基準範囲の計算法
- メタ分析、多変量解析