がんの早期診断を可能にする最新のリキッドバイオプシー技術

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プログラム

第1部. 血中マイクロRNAを活用したがんマーカーの開発

(2016年11月11日 10:30〜12:00)

 血中マイクロRNA (miRNA) は疾患の検出、診断のためのマーカーとして非常に有用であることから、国内外で多くの研究が実施されている。我が国では、2014年からNEDO/AMEDにより、「体液中マイクロRNA測定技術基盤開発」事業が5年計画を予定して進められている。この事業では、3D-Gene®システムを活用していただき、乳がん、大腸がんをはじめとする13種のがん、およびアルツハイマー病等の認知量の早期発見マーカーを見出し、国立がん研究センターおよび国立長寿医療研のバイオバンクに保存されている数万検体の血清中のmiRNAの網羅的検出結果をデータベース化することにより、さらに複雑な検査・診断用マーカーや創薬ターゲットの発見にもつなげようというものである。  本講座では、この試みについて、用いられる技術やこれまで得られている成果等を紹介する。

  1. 血清中miRNAについて
    • Circulating miRNAとは
  2. 血清中miRNAの網羅的検出方法
    • 血清からのRNA抽出法
    • 高感度DNAチップ 3D-Gene®による検出法
  3. 各種がんでの血清中miRNAマーカーの例

第2部. 血中循環腫瘍DNAの検出技術

(2016年11月11日 12:45〜14:00)

癌患者の血液中には、癌細胞が崩壊して放出されたDNAが微量に存在する。それを検出すれば、低侵襲な方法で癌の存在をモニターすることができる。本講座では、血中循環腫瘍DNAの検出及び解析方法について紹介する。

  1. 血中遊離DNAと血中循環腫瘍DNAの特性
  2. 血中循環腫瘍DNAの検出技術
  3. 血中循環腫瘍DNAの解析例
  4. 解析上の注意点

第3部. 血中循環腫瘍細胞の回収技術と遺伝子解析への応用

(2016年11月11日 14:15〜15:45)

血中循環腫瘍細胞 (Circulating tumor cell : CTC) は、がん患者のがん原発巣から血管内へ浸潤し、末梢血中を循環するがん細胞であり、転移との関連が示唆されています。CTCは非常に希少な細胞であり、がん患者の血液1 mL (108~109血球細胞) 中にわずか数個程度しか存在しません。このため、末梢血からCTCをロスなく回収し、CTCの遺伝子解析を行うための技術開発が世界各国の研究機関で進められています。
本講演では、CTCの回収技術とCTCの遺伝子解析への利用に関する技術を紹介します。

  1. CTCの重要性
  2. CTC回収技術の開発動向
    • 抗原抗体反応を利用した回収技術
    • 物理的性質を利用した回収技術
  3. CTC回収技術の自動化
  4. CTC検出の臨床試験
  5. CTCのニ次解析 (遺伝子解析) 技術
  6. CTC研究の今後の展望

第4部. 膵がんの早期診断を可能にする血中測定反復配列RNAの高感度測定技術

(2016年11月11日 16:00〜17:30)

血液等を用いて非侵襲的に診断や治療効果予測を行ういわゆるリキッドバイオプシーについての研究が、近年 日進月歩で進んでいます。
本講演では、難治癌の代表である膵がんの患者を診断する有効なツールとして、我々が新規に開発した血中反復配列RNAの定量技術についてご紹介するとともに、血中RNAバイオマーカーの発展の歴史、今後の動向について簡単に解説させていただきます。

  1. 膵がんの難治性と新規バイオマーカーの必要性
  2. がんバイオマーカーとしての血中RNAの歴史
    1. 血液中に存在する核酸
    2. 血中に検出されるRNAとがん
    3. 血液中の核酸輸送体について
  3. 反復配列RNAを高感度に測定するTRAP法の開発
    1. 反復配列RNAについて
    2. TRAP法の実際
    3. 実際の患者血清を用いた評価
    4. 今後の研究計画
  4. 血中RNAバイオマーカーの今後の展望

会場

株式会社 技術情報協会
141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
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