第1部 反射型透明断熱フィルムの光学特性、製造技術と自動車への応用
(2016年10月24日 10:30〜12:10)
薄膜Ag層を屈折率2以上の透明酸化物層でサンドウイッチした5層構造の薄膜を可撓性製に優れたPETフィルムに大量生産できる透明断熱フィルムを車窓に適用することを目指した技術の動向について解説する。
車窓では曲線形状ガラスをPVB+透明断熱フィルムを介して合せガラスとして安全と省エネ効果を実現するとともにGHz帯の電磁波を透過する課題を克服する必要がある。
曲線形状ガラスとの均一接着性を確保する透明断熱フィルムの柔軟性の実現に必要なスパッタ技術はどうあるべきかについて動向を解説する。
また、太陽光線を構成する熱線電磁波の帯域は反射し、通信に必須なGHz帯の電磁波を透過できる透明断熱フィルムについて考察する。
- スパッタ技術と透明断熱フィルムの関わり
- Agを用いた反射型透明断熱フィルムの歴史
- 透明酸化膜の低温スパッタ成膜技術 (マグネトロンスパッタ)
- 透明酸化膜の低温スパッタ成膜技術 (NFTSスパッタ)
- 窓用途の課題とスパッタ技術
- ロールtoロール式低温スパッタ多層膜形成技術
- マグネトロン式量産装置の技術
- NFTS式量産装置の技術
- 薄膜構造と機械特性の比較
- 透明断熱フィルムの多層膜構造と光学特性
- マグネトロン技術による市販透明断熱フィルムの代表例
- NFTS技術による開発透明断熱フィルムの代表例
- NFTS技術による透明断熱フィルムの車窓・ウィンドウ用途への適用
- 通信電波の透過特性と反射型透明断熱フィルム技術
- シワと反射型透明断熱フィルム技術
第2部 ナノ粒子分散による日射遮蔽技術とその他機能性付与技術
(2016年10月24日 13:00〜14:40)
樹脂グレージングに要求されるニーズを含めて、赤外線の遮蔽効果、国際的な安全規格を満たすための高硬度化処理、防曇性による視認性向上など、ハードコートと他材料 や他プロセスとの観点から実例を交えて取り組みを紹介します。
- ハードコート多機能化のための要点
- ハードコートの種類と性能
- コーティング技術
- 機能化と基本性能の両立
- 赤外線遮蔽機能の付加
- 赤外線遮蔽剤の特徴と選定
- ハードコートへの機能化粒子の分散技術
- 赤外線遮蔽ハードコートの性能と評価
- 高硬度化技術
- 耐摩耗性向上の考え方
- 高硬度化処理の手法
- 光改質による硬質化技術
- 光改質膜の性能と評価
- 防曇性の付加技術
- グレージングにおける防曇性のニーズ
- 親水・吸水による防曇
- 発熱による防曇
- 防曇膜の性能と評価
- まとめ
第3部 傷つき防止のためのハードコーティング技術
(2016年10月24日 14:50〜16:30)
ハードコーティング技術の中核をなす、硬度、耐擦傷性、柔軟性、密着性について、その設計指針に重点をおき、豊富な基礎的研究成果に基づき、具体的な提言を行います。
- ハードコーティング技術とは
- 硬度、耐擦傷性、柔軟性
- 設計指針
- ゾルゲル法
- 重合の機構
- シリコンアルコキシド
- 非シリコンアルコキシド
- 有機無機ナノハイブリッドコーティング
- ナノハイブリッド化の意義
- ナノハイブリッド化の原理
- 硬度、耐擦傷性、柔軟性の相互の関連性
- 密着性
- 設計指針
- 薄膜分相による一液コーティング
- 今後の動向