セルロースナノファイバーの解繊、樹脂・水への分散技術

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本セミナーでは、セルロースナノファイバーの酵素解繊・機械解繊の手法、セルロースナノファイバーの樹脂との相溶性の改善、セルロースナノファイバー分散液の製造と用途展開について詳解いたします。

日時

中止

プログラム

第1部 酵素加水分解を用いたセルロースナノファイバーの製造技術

(2016年10月21日 10:00〜11:30)

 セルロースナノファイバーの製造方法は、機械的処理と化学的処理の2つに大別される。TEMPO酸化処理ナノセルロースに代表されるように、化学処理は均一なセルロースナノファイバーを提供する手段であり、大量生産につながりやすい方法である。しかし、カルボキシル基やリン酸基といった自然界ではない物質が入ってくる。植物が生産するままのセルロースを利用するのは機械的処理により生産されるセルロースナノファイバーであるが、太い、均質でない、水懸濁液で得られたままでは疎水性の高分子との複合体の製造が困難、など様々な原因から難色を示される向きがある。しかし、自然界ではセルロースをほぐしながら分解しており、その過程でナノサイズまでダウンサイジングされている。  セルラーゼは、セルロースを分解する酵素としてしか認識されていないが、実に様々な作用をする。  講演ではセルラーゼの分解をセルロースのダウンサイジングに利用する方法について、解説する。

  1. セルロースについて
  2. セルラーゼによるセルロースの分解
  3. セルラーゼと機械的処理の併用により生産されるセルロースナノファイバー
  4. 森林総研が行っているセルロースナノファイバー生産

第2部 ウォータージェット法によるセルロースナノファイバーの製造

(2016年10月21日 11:40〜13:10)

 現在、セルロースナノファイバーの製造方法は多数報告されているが、いずれも機械解繊処理が必須である。ウォータージェット法は、セルロースナノファイバー製造のための解繊方法の中で最も優れている方法の一つと言って過言ではない。  本講座では、そのウォータージェット法の解繊メカニズムの基礎から、製造したセルロースナノファイバーの特長・応用検討事例まで幅広く紹介する。

  1. はじめに
  2. ウォータージェット法によるセルロースのナノファイバー化
    1. ウォータージェット法の特長
    2. セルロースのナノファイバー化挙動
  3. ウォータージェット法で製造したセルロースナノファイバーの特長
    1. ラインアップおよび外観
    2. セルロースナノファイバーの様々な特性
  4. ウォータージェット法で製造したセルロースナノファイバーの応用事例
    1. 各種業界での応用事例
    2. 受託加工
  5. まとめ

第3部 樹木細胞壁を工業規格へ 樹脂と相溶する新しいナノセルロース・リグノフェノール複合体の開発

(2016年10月21日 13:50〜15:20)

 近年、セルロースナノファイバー (CNF) が注目されている。しかし、親水性を有するCNFのFRP等高機能材料への応用、石油系樹脂等との相溶化は容易ではなく、効果的な活用には至っていない。セルロースは植物中においてリグニンと高度に複合化されており、そのナノファイバー化には、通常高エネルギー処理を伴う多段階なプロセスが必要となる。  本講演では、植物中におけるリグニンとセルロースの分子特性を分子セグメントという新たな切り口で整理するとともに、常温常圧下、短時間の一段処理で木材から新規ナノセルロース-リグノフェノール複合体 (LNCC) を誘導する技術、LNCCの機能的応用展開について紹介する。

  1. 生態系における炭素の濃縮と解放
  2. 植物に包含された環境因子
  3. 樹木の代謝
  4. 細胞壁の微細構造
  5. 細胞壁構成素材の構造と分布
  6. 樹木を機能性分子工業原料へ
    1. バイオ規格と工業規格
    2. セルロースの分子規格,工業規格への転換
    3. リグニンの分子規格,工業規格への転換
  7. 樹木から誘導される新素材-セルロースナノファイバー -
    1. ナノファイバー化技術 現状と問題点
    2. ナノファイバーの用途 過去と現在
    3. 高機能材料への新展開
      1. セルロース系FRP 現状と問題点
      2. セルロースを生かすために必要なこと-リグニンの機能を制御する -
      3. 細胞壁におけるセルロースとリグニンの関係
      4. 新しいリグニンの構造制御技術 ネットワークから高機能リニア型高分子への転換
      5. セルロースとリグニンの新しい関係をつくる 新しい同時構造制御システム
      6. 工業規格化された新しいリグノセルロースの創製
        1. Nano Cellulose-Lignophenol Composites (LNCC)
      7. 樹木成分と石油系樹脂の新しい関係
        1. LNCCの新展開
        2. リグノフェノールの新展開
  8. 森林からはじまる新しい持続的工業システム

第4部 セルロースナノファイバーの増粘・ゲル化剤への応用と用途展開

(2016年10月21日 15:30〜17:00)

CNFの製造方法から用途開発状況までを網羅的に学ぶことができる。
CNF関連企業の研究開発に関する最新情報が得られる。

  1. 第一工業製薬の紹介
  2. セルロースナノファイバー (CNF) について
    1. CNFの特性
    2. CNFの国内外における研究開発状況
    3. CNFの製造方法
  3. 増粘剤としてのCNFの開発
    1. 増粘剤の種類と特徴
    2. セルロース系増粘剤について
  4. CNFからなる増粘剤「レオクリスタ」の紹介
    1. レオクリスタの基礎物性
    2. レオクリスタの応用物性
  5. 用途開発状況と今後の展開
    1. 用途開発状況
    2. 採用例~水性ゲルインクボールペンインクへの採用について~
    3. 今後の展開

会場

株式会社 技術情報協会
141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
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