(2016年10月25日 10:30〜12:10)
合金系負極は高容量な負極活物質として期待されており、中でもスズ合金系負極は従来から盛んに研究されている。しかしながら、充放電における体積変化、電解液との相性、不可逆容量が大きいなど、多くの課題を有する。 演者らはスズリン酸系のガラス負極に注目しており、体積変化が小さく、サイクル特性が良好であることを明らかにしている。
本講座ではスズリン酸ガラスの特徴とその応用について紹介する。
(2016年10月25日 13:00〜14:40)
Si系負極は次世代の負極材料の有力候補として、以前から様々な取り組みがされてきました。しかし、現在でも一部でグラファイトの添加材的な使用にとどまっており、その性能 十分に発揮しているとはいえません。これはSiの大きな膨張率とSiO不可逆の問題が解決できていないことに由来します。近年Si、SiOの劣化機構に関する幾つかの研究が報告され、また、その改善について報告があります。 今回我々は様々な電池データー解析からSiOの劣化についてのモデルを提案させていただき、聴講者の今後の開発のヒントになればと考えております。 また、一部SiOの初期効率の改善についての取り組みも紹介させていただきます。
(2016年10月25日 14:50〜16:30)
電気自動車や定置用蓄電池に使用されるスピネル型チタン酸リチウム (Li4Ti5O12) は非常に優れた負極材料である。 本講座では、Li4Ti5O12負極が安全性と耐久性に優れる理由を踏まえたうえで次世代の酸化物系負極活物質に求められる資質を述べる。 演者らが開発に成功したルチル型TiO2負極を例に取り上げ、活物質の合成法の選択、調製条件の最適化、形態制御による耐久性の改善などについて詳細なデータを添えて解説する。 また、リチウムイオン電池のみならずナトリウムイオン電池としての負極特性についても触れ、両者の比較により見えてくる新たな材料開発の展開を紹介する。