軟磁性材料の低鉄損化とパワーエレクトロニクスへの応用

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プログラム

第1部 粉末冶金の技術と圧粉磁心のモーター、リアクトルへの応用

(2016年10月21日 10:00〜11:00)

 粉末冶金技術とは金属粉をプレス成型し圧紛体を作りそれを焼結 (焼き固める) することにより機械部品を作るもので、鉄 – 銅 – 黒鉛系が代表的な材料で自動車部品に多く利用され、1台あたり1%弱の重量の部品が利用されている。重量的にはたいしたことはないが機能性に優れた高付加価値部品も多い。圧粉磁心は純鉄系の粉末を絶縁処理し、成形し焼結しないでそのまま磁心に使うもので昨今積層鋼板を超える性能も一部見られる。  今回の講演は粉末冶金技術の全体像から圧粉磁心まで解説する。

  1. 粉末冶金とは
    1. 原料および製造工程について
    2. 応用製品について
  2. 粉末冶金の中でも特殊な技術
  3. 粉末冶金材料の規格
  4. 粉末冶金材料の機械的・機能的特性
  5. 圧粉磁心と積層鋼板磁心の比較
  6. 圧粉磁心のモーターへの応用
    1. 自動車への応用
    2. 室内機としての応用
  7. 圧粉磁心の自動車用リアクトルコアへの応用について

第2部 材料・絶縁膜制御による低損失化技術と実用化事例

(2016年10月21日 11:10〜12:10)

軟磁性材料の材料組成や絶縁膜を含む粒子間絶縁技術を活用した低損失化と、その応用製品として実用化した事例について講演する。

  1. 各種軟磁性材料と圧粉磁心の概要と、製造プロセスについて
  2. 低損失化に向けた要素技術開発
    1. 原料粉末の高純度化と組成設計技術
    2. 絶縁被覆技術
    3. プレス成形技術
    4. 熱処理技術
    5. 後加工技術
  3. 実用化事例
  4. 最新の開発状況と応用製品
    1. モータ用途への展開
    2. 高周波電源用途への展開

第3部 圧粉磁芯の磁気特性に及ぼす原料鉄粉の粉体特性の影響

(2016年10月21日 12:50〜13:50)

積層鋼板に比べて形状の自由度が高く高周波特性に優れる圧粉磁芯について、原料となる鉄粉の粉体特性が圧粉磁芯の磁気特性、特に鉄損に及ぼす影響について紹介する。

  1. はじめに
    1. 鉄粉の製造方法
    2. 圧粉磁芯の製造方法と特徴
    3. 圧粉磁芯の課題
  2. 圧粉磁芯の鉄損
    1. ヒステリシス損
    2. 渦電流損
    3. 鉄損に及ぼす微細組織の影響
  3. 原料粉末の粒子形状が保磁力に及ぼす影響
    1. 原料粉末形状が圧粉磁芯微細組織に及ぼす影響
    2. 圧粉磁芯微細組織と保磁力の関係
  4. 原料粉末の粒子径および微細組織が鉄損に及ぼす影響
    1. ヒステリシス損と原料粉末微細組織の関係
    2. 渦電流損と原料粉末粒子径の関係

第4部 純鉄系圧粉磁心の低鉄損化

(2016年10月21日 14:00〜15:00)

本講座では、近年適用例が増加している圧粉磁心のなかでも、純鉄粉を用いたものを中心に、粉末の諸特性が及ぼす影響、適用事例、粉末製造方法について概説する。

  1. 圧粉磁心とは
    1. 圧粉磁心のメリット
    2. 圧粉磁心の適用例
  2. 圧粉磁心用鉄粉の特徴と製造方法
  3. 圧粉磁心の低鉄損化
    1. 圧粉磁心の特性を支配する因子
    2. 鉄損の支配因子
    3. ヒステリシス損の低減

第5部 アモルファスおよびナノ結晶軟磁性合金とその応用製品

(2016年10月21日 15:10〜16:10)

地球温暖化の抑制のためのCO2排出量削減と省エネルギーの観点から益々注目を集めているアモルファスおよびナノ結晶軟磁性合金とその応用製品の現状と今後の開発動向について解説する。

  1. 各種軟磁性材料とその位置付け
  2. アモルファス軟磁性合金
    1. アモルファス軟磁性合金の製造方法
    2. アモルファス軟磁性合金の特徴
    3. 配電用変圧器への応用
    4. 高周波リアクトルへの応用
    5. モータへの応用
  3. ナノ結晶軟磁性合金
    1. ナノ結晶軟磁性合金の製造方法
    2. ナノ結晶軟磁性合金の特徴
    3. EMCフィルタへの応用
    4. 高周波変圧器への応用
    5. パルスパワーへの応用
  4. 次世代ナノ結晶軟磁性合金

第6部 軟磁性複合材料の高密度圧縮成形技術と磁気特性向上

(2016年10月21日 16:20〜17:20)

電磁機器は、小型・軽量化、省エネ化、省資源化などが要求されている。その要求に対応する方法として、3次元形状化がある。特に、モータにおいて、電磁鋼板では困難な3次元形状には軟磁性複合材料による圧粉磁心の適用が最適である。モー タ用電磁鋼板と同等の磁気特性を実現するためには軟磁性複合粉末の高密度圧縮成形工法が重要となる。従来の圧縮成形工法では、圧粉磁心の成形密度向上には限界があり、その阻害要因を明確にした。本高密度圧縮成形工法では、それらの阻害要 因を低減する工法であり、成形密度の向上を図ることができ、種々の形状サンプルを試作した。形状サンプルを持参する。電磁機器に圧粉磁心の適用を検討するにあたり、開発の一助となれば幸いである。

  1. 電磁機器を取巻く背景
  2. 軟磁性複合材料 (SMC) と圧粉磁心の特徴
    1. SMCの構造
    2. 圧粉磁心の内部構造と特徴
  3. 電磁鋼板とSMCの比較
    1. 直流磁化特性と鉄損特性の比較
    2. 積層電磁鋼板と圧粉磁心の比較
  4. 高密度圧縮成形工法の目標
  5. SMCの圧縮成形プロセス
  6. 従来の圧縮成形工法の問題点
    1. 成形密度向上への阻害要因
  7. 高密度圧縮成形工法
    1. 工法の概要と圧縮成形条件
    2. 摺動摩擦抵抗の低減法
    3. 磁気特性と機械的特性の比較
    4. 各種SMC粉末への本工法適用例
  8. 圧縮成形システム
  9. 成形事例 (実物)

会場

株式会社 技術情報協会
141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
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