第1部 プラスチック・ガラス表面の親水化と防汚・防曇性付与とその評価
(2016年10月31日 10:30〜11:40)
1%以下の低濃度の高分子水溶液と接触させるだけで対象とするプラスチックやガラス表面にナノレベルの吸着層を形成し、簡単・迅速に表面を親水化させる技術について紹介する。処理する基材の表面物性に合わせた親水化高分子の設計法、および防汚性や防曇性といった実使用を想定した表面の機能評価について述べる。
- 表面改質技術の分類と事例
- プラスチックやガラス表面が曇る現象について
- 表面を親水化させる表面改質技術 ~洗浄と同時に洗浄面を親水化~
- 高分子の吸着による表面改質
- 高分子設計のポイント
- 高分子構造の選定 ~両性両親媒性高分子~
- 先行技術
- 新たに合成した表面改質高分子
- 繊維強化プラスチック (FRP) 用表面改質高分子
- ガラス用表面改質高分子
- 表面改質高分子合成のポイント
- 反応例
- 反応推移解析手法の開発
- FRP用表面改質高分子の合成と吸着表面性状
- FRPとは
- 高分子の組成とFRPへの吸着量、および吸着表面性状
- 高分子吸着表面の防汚性能評価
- 防汚性能発現機構について
- ガラス用表面改質高分子の合成と吸着表面性状
- ガラスとは
- ガラス用表面改質高分子の合成
- 高分子吸着表面の防曇性能評価
- 防曇性能発現機構について
- 今後の展望 ~両親媒性超分子ナノシート~
- 超分子とは
- 超分子ナノシート設計のポイント
- スルファミド超分子ナノシートの合成と機能
第2部 透明材料中の粒子が起こすヘイズ について
(2016年10月31日 11:50〜12:50)
透明材料のヘイズ発生要因について、数値シミュレーションを中心に概観する。
- 緒言
- ヘイズとは
- ヘイズの定義
- ヘイズの要因
- 透明材料の光散乱
- 光散乱の種類
- 光散乱を起こす要因
- 光散乱中心の大きさと光散乱
- 光散乱による透明材料の光透過性低下の数値シミュレーション
- 計算モデル
- 光散乱中心の大きさによる透過性低下のシミュレーション
- 光散乱中心の数による透過性低下のシミュレーション
- 光路長による透過性低下のシミュレーション
- 光散乱中心の屈折率による透過性低下のシミュレーション
- 透過光の波長による透過性低下のシミュレーション
- 結言
第3部 防曇ハードコート・塗料による 材料の透明性維持、その応用
(2016年10月31日 13:40〜14:40)
ガラスやポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチルなどから なる透明材料は“曇り現象”によって様々な 不都合が生じています。
本講では曇りのメカニズムを詳述し、その評価技術、透明性維持のためのコーティング材料とその様々な応用例について解説します。
- 曇り発生のメカニズム
- 曇りが発生するメカニズム
- 曇りの実例
- 防曇技術について
- 曇りを解決する方法
- 防曇性発現機構
- 防曇方法の特徴
- 防曇性付与ハードコート“防曇ハードコート”について
- 防曇ハードコートの特徴
- 防曇ハードコートに求められる特性
- 防曇性の評価技術
- 密着性の評価技術
- 防曇ハードコートにおける剥離現象
- 防曇性と密着性の両立技術
- 防曇ハードコートの実用例
- 防曇塗料・ハードコートの応用例
- 自動車ライト用途
- レンズ・ゴーグル用途
- 樹脂グレージング用途
- ガラス用途、他
第4部 物質がくもるメカニズムとEB照射高速防曇処理
(2016年10月31日 14:50〜15:50)
低加速電圧電子線照射を用いた高速殺菌防曇処理の基礎研究を紹介し、付加価値発生に期待できる応用に関する議論を喚起する。
- くもりの予備知識
- 心は曇るが、目はくもらない。何故か? ~着想の原点~
- 曇りがはれるとは? ~乾燥か?ぬれか?~
- くもりの評価は? ~曇り抵抗性・曇り晴れ時間~
- くもりにくい材料は? ~材料の分類と水分の移動機構~
- 防曇処理 ~疎水か?親水か? +か? -か?~
- 処理条件
- 低加速電圧電子線照射の予備知識
- 低加速電圧電子線照射の面白知識
- 強靱化 (ガラス、CFRP、高分子)
- 接着
- 滅菌・殺菌
- 電子線照射処理した材料で何が起こっているか:dangling bonds形成
- 電子線照射による防曇処理の可能性
- EB照射高速防曇処理
- 歯科用内視鏡の防曇
- シリカガラスの防曇
- 内視鏡用サファイヤの防曇
- ダイヤモンドの防曇
- 高分子材料の防曇
- EB照射高速防曇処理の一般法則と他の防曇処理への提言
第5部 ヘイズ (曇り度) 試験の装置とその使い方
(2016年10月31日 16:00〜17:00)
透明な材料の透過特性 (全光線透過率、透過ヘイズ、透明度等) は、使用用途により要求が大きく異なり、その特性を把握する事は非常に重要です。
基本的な全光線透過率、ヘイズの原理、国際規格との違いや、「クラリティ (透明度) 」の原理、使用方法、評価事例について解説します。
- 透明度を測定する装置のご紹介、その測定原理
- ヘイズ – ガード i
- 全光線透過率の測定原理
- ヘイズの測定原理
- ASTM及びISO (JIS) 規格の違い
- クラリティ (透明度) の測定原理
- 測定条件について
- 測定試料 (測定できる物、測定できない物)
- 測定環境 (室内環境など)
- 測定性能、測定限界
- 測定の進め方、トラブルシューティング
- 各種用途事例
- プラスチック
- フィルム
- ガラス
- コーティング
- 光学機能製品
- 他