ラジカル重合は工業的に配位重合とともに最も広く用いられ、学術的にも長く詳細な基礎研究が蓄積されている。これに基づいて、これまで困難とされてきたリビングラジカル重合 (精密ラジカル重合) が1990年代に相次いで開発され、ラジカル重合の研究と開発は産学で国際的に新たな展開を始めた。
本講演では、ラジカル重合と精密重合の基礎を概説し、次いでリビングラジカル重合の発見、開発、展開、および将来展望を実例ととも解説し、応用展開の現状についても述べることにする。
- ラジカル重合の基礎
- 付加重合とラジカル重合
- ラジカル重合の特徴、モノマー、および開始剤
- ラジカル重合の課題
- 精密ラジカル重合
- 重合の精密制御の考え方
- 精密重合・リビング重合の開発
- 重合の精密制御の一般原理 (ドーマント種)
- 精密ラジカル重合
- 精密ラジカル重合の開発
- 精密ラジカル重合の発展 (触媒と実例)
- 精密ラジカル重合の展開 (新手法など)
- 精密ラジカル重合による精密高分子合成
- 精密ラジカル重合による精密高分子合成
- 精密重合の特徴と課題
- 精密重合でしか得られない高分子材料とは何か?
- 精密ラジカル重合の応用展開
- 精密ラジカル重合の実用化の実例
- ブロックポリマーとその応用 (色素分散剤,固体電解質,熱可塑性弾性体など)
- 末端官能性ポリマーとその応用 (シーラント,建築材料など)
- 星型ポリマーとその応用 (水浄化剤,分子認識など)
- 精密重合と精密高分子合成の未来