再生医療等製品の保険償還価格設定と申請・交渉のポイント

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本セミナーでは、再生医療の事業性評価とライセンス契約のポイントについて詳解いたします。

日時

開催予定

プログラム

第1部. 事業採算性から見た再生医療製品の薬価・保険償還価格設定での留意点

(2016年10月7日 10:30〜12:00)

保険適用を目指すことを前提とした場合、再生医療製品事業の採算性があるかの判断は、当然薬価・保険償還価格がいくらになるのかで決まる。薬価・保険償還価格の決め方には1) 原価計算方式 (製造コストや研究開発費、営業利益などを積み上げる) 2) 類似薬効比較方式 (効能が似た既存の薬剤と比較して導く) の2種類があるが、再生医療製品の場合、比較できる製品がないことから、原価計算方式によることになる。特に最近中央社会保険医療協議会 (中医協) では高額な薬価・保険償還価格を認めることに慎重になっている。これは当然高額薬価・保険償還価格が保険財政を圧迫するし、欧米先進国でも同様の傾向が見られる。 中医協が求める薬価・保険償還価格では事業の採算が取れない場合が発生するが、その時の対応としては以下の3つのケースが考えられる。1) あくまで保険適用を目指す場合、2) 混合診療を目指す場合、3) 非保険診療で自由診療をスタートさせる場合の3ケースであり、それぞれについて対応策を考える。
  1. あくまで保険診療を目指す場合
    • 徹底したコスト削減により中医協の想定価格との価格差を縮める努力をしなければならない。
      1. 製造原料費を抑える
      2. 開発期間をできるだけ短縮する
      3. 品質検定コストを抑える
      4. 臨床試験費用を抑える
  2. 混合診療を目指す場合
    • 評価医療制度下での混合診療を目指す
    • 評価医療の内の先進医療を目指す
      1. 海外での臨床開発を優先し、海外での薬事承認を得る
      2. 海外での販売を実施する
      3. 海外での販売実績を基に、日本における先進医療認証を得る
  3. 非保険診療での自由診療をスタートさせる
    1. 日本医師法下では禁止されていない実験的治療を実施し、臨床実績を積む
    2. 日本で得られた臨床成績を基に、海外で臨床試験を実施する
    3. 海外で薬事承認を得て、海外での販売を行う
    4. 海外での販売実績を基に、日本における先進医療認証を得る

第2部. 再生医療の保険適用申請・交渉のポイントと希望価格獲得のポイント

(2016年10月7日 12:45〜15:45)

 再生医療は画期的な医療であると同時に高コストな医療材料であり、その開発に要した費用と事業機会に対する適正な保険償還を含めた事業計画が求められる。  本講では必要十分な保険償還得るため、承認申請時の「仕込み」、関連学会との連携、保険適用審査における当局の考え方、実際の審査で求められる事柄等について実地的な観点から詳述する。

第3部. 保険適用申請で求められる費用対効果の要件とその提示法

(2016年10月7日 16:00〜17:30)

 国の財政が大変厳しい中、保険償還の実際については、注目されています。その一方で、ヘルスケアテクノロジーアセスメント (HTA) の導入についても高い関心が寄せられています。  HTAの中にある費用対効果評価について、基礎知識の解説を行い、現在はどのような動きがあり、将来に予測されることについてお話しします。費用対効果評価についての理解を深め、コストの高い再生医療関連技術の開発時に考慮しておきたいことを解説します。  これから、日本においても医療経済学の考え方が普及すると思われ、そのトピックについても扱うこととします。

  1. 今の日本の医療の抱える問題
    1. 医療の構造と国の財政
    2. 社会の変化と再生医療への期待
  2. ヘルスケアテクノロジーアセスメント (HTA) とは
    1. テクノロジーのアセスメント
    2. 諸外国の事例
  3. 費用対効果評価の導入
    1. 様々な物差し
    2. 費用対効果評価導入検討の背景
    3. 試行的導入
  4. 医療イノベーションと費用対効果評価
    1. 再生医療の特性
    2. 開発の中で工夫しておきたいこと
    3. 市販後において工夫しておきたいこと
  5. 医療経済学と医療現場
    • 価値をどう客観視するか

会場

株式会社 技術情報協会
141-0031 東京都 品川区 西五反田2-29-5
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