電子機器や加熱設備、温度制御装置など、熱制御が必要な機器が増えています。
このような機器の「熱設計」には温度予測が必要になります。しかし「熱計算」は基礎式が非線形になる上、伝導、対流、放射という3つの伝熱形態が同時に起こるため複雑です。実用的な設計計算を手計算で行なうことは難しく、ついつい高価な数値熱流体解析ソフト (CFD) に頼りがちです。
熱設計や熱対策を合理的に行なうには、設計者自身が基本的な伝熱メカニズムを理解し、伝熱基礎式を用いて伝熱現象をモデル化し、論理的な分析ができることが重要です。Excelなどの表計算ツールを用いることで単純な基礎式を組み合わせて、実務的な熱計算を行なうことができるようになります。
本セミナーでは伝熱現象とこれを表現する基礎式を理解し、これらを組み合わせて実用的な問題を解けるようにします。さらに熱回路網法を用いて複雑な熱モデルの組立てと、分析方法についても学びます。
演習に用いたソフトは持ち帰って各自の熱設計に使用できます。
- 熱設計の基礎知識
- 機器の温度が制限される要因
- 熱設計・熱計算の目的
- 伝熱の基礎
- 熱とは何か? 温度とどう違うか?
- 熱移動の基礎式
- 熱伝導のメカニズムと基礎式
- 対流のメカニズム
- 平板自然対流・強制対流熱伝達の計算
- 放射のメカニズムと基礎式
- 放射係数と形態係数
- 物質移動による熱輸送の式
- 【手計算演習】多層基板の計算
- 【手計算演習】自然対流平板の温度予測
- 温度予測手法とその原理・精度
- 基礎式を組み合わせて解く方法
- 熱回路網法による熱伝導計算
- 熱回路網法による対流・放射の非線形計算
- 熱回路モデルの基本ルール
- 【Excel演習】 多層基板の計算
- 【Excel演習】 自然対流・放射平板の温度予測
- Excelによる電子機器の熱計算方法
- 基板・コイルの等価熱伝導率計算
- 接触熱抵抗のメカニズムと計算法
- 基板の熱解析 (サーマルビアの効果と有効本数)
- 密閉筐体の内部温度計算
- 自然空冷・強制空冷筐体の内部温度
- 熱回路網法による定常計算
- 放熱プレートの温度分布計算
- 熱回路網法の基礎原理
- 発熱体を実装した筐体の熱対策検討
- 【Excel演習】アルミプレートの温度分布
- 【Excel演習】筐体内部温度と通風口面積
- 熱回路網法による非定常計算事例
- プレートの温度上昇時間
- センサによる温度制御
- 温風ヒータによる物体の加熱時間
- 【Excel演習】アルミプレート温度のセンサによる制御
- Excelによるヒートシンクの熱計算
- ヒートシンク設計の流れ
- 自然空冷ヒートシンクの熱計算
- 強制空冷ヒートシンクの熱計算