表面、界面はあらゆる技術や製品の基盤となるものであり、現在扱われる材料やプロセス、技術、商品で表面や界面が関与していない者は無いと言っても過言ではない。これは言い方を変えると、現代は表面、界面に支配されているということになる。これほど重要なものであることから、分析手法一つにしても多種多様なものが開発され、利用されている。しかし、一方で表面や、特に界面はまだ未解明な部分も多く、その本当の姿を明らかにして利用することは容易ではない。
本講では、表面、界面の基礎から、分析評価を中心にして、その姿を明らかにして利用するためのアプローチについて、技術的テクニック、コツやノウハウから、考え方、アプローチに方法まで応用アプリケーションの事例を交えて解説する。
- 表面に支配される現代社会
- 膜・界面、そして、現代技術を支配する表面
- 表面・界面で発生する代表的事象
- 表面とは
- 表面 (薄膜) とは?
- 表面の要素
- 表面における現象
- 界面とは
- 界面における現象
- 多層膜による界面形成
- 薄膜化による界面の変化
- 表面・界面を支配するもの
- 界面形成
- 界面を形成する力
- 表面・界面形成を支配するもの
- 界面形成因子と評価法
- 表面を支配するには
- 表面分析成功のキーポイント
- 表面分析の心構え
- サンプルの取り扱い
- 問題解決アプローチ
- 問題解決のアプローチ
- 視る
- 剥離状態の解析
- 代表的要因別アプローチ
- 化学構造を知る
- 複合要因の分離
- 加速試験
- 位置、サイズ、量
- 樹脂/金属の接着
- 金属/樹脂の接着パターン
- 金属基材の前処理
- 接着不良要因
- シランカップリング処理
- 代表的な処理方法
- 処理条件
- 条件と構造の多様性の例
- 基材表面の解析
- 反応概論
- 加水分解と自己縮合
- 視るべきポイント
- 解析の難しさと障害 (シランカップリング反応のキー)
- シランカップリング反応の解析
- 基材表面の解析法
- 代表的表面分析手法
- 表面分析の分類
- 表面分析に用いる主な手法と選び方
- 表面・微小部の代表的分析手法
- X線光電子分光法 (XPS)
- 元素同定
- 化学状態の同定
- 角度変化測定による深さ方向分析
- ハイブリッド分析
- チャージアップへの工夫
- 界面で正体不明のピークシフト
- ちょっと便利なサイトやソフト
- オージェ電子分光法
- EPMA
- フーリエ変換赤外分光法
- 測定法
- 周辺環境の影響
- 主な吸収帯
- 指紋領域の利用
- カルボニル基の判別
- 系統分析
- 帰属の考え方
- 全反射法 (ATR法)
- TOF – SIMS
- 形態を知る
- 形態観察と物性分析法
- SEM (走査型電子顕微鏡) 、TEM (透過型電子顕微鏡)
- 走査型プローブ顕微鏡 (SPM)
- 界面分析
- 界面評価の重要性と課題
- 界面の分類
- 界面における課題
- 従来法と問題点
- 精密斜め切削法
- 解析の実例
- UV照射による化学構造の評価
- 化学修飾法を用いた表面官能基イメージング
- ポリイミドの表面処理層の深さ方向分析
- PI/Cu/Si界面の解析
- UV表面処理による構造変化の深さ方向解析
- 仮説思考による研究開発と問題解決
- まとめ
- 質疑