使いやすいヒューマンインタフェースを実現するための出発点は“人を知る”ことにあります。 不便な、あるいは便利なインタフェースに内在する問題を浮き彫りにするためには、そもそも人はどのような情報をどのように受け取るのか、人にとって何が自然で何が不自然なのか、などの疑問に立ち返る必要があります。 たとえば、ある意味で夢のデバイスであるタッチスクリーン型スマートフォンも、不便さを補って余りある表現の豊かさを有しているために、使いにくいという感覚が人々の意識下に埋もれていますが、まだ改善の余地はあります。 以上のような発想の下で、このセミナーでは、人の強さと弱さについて (人の得意なことと不得意なことについて) 、インタフェースの改善や開発に際して意識すべき人間特性について、から始めて、仮名入力インタフェースの考察、人間の無自覚的挙動を利用した本人認証インタフェース、そして、人間の自動的反応に由来するエラーについてお話しします。