本セミナーでは、様々な産業分野で適用されているカルマンフィルタについて、仕組みから実用化方法をわかりやすく解説いたします。
航空宇宙分野をはじめとしてさまざまな産業分野でカルマンフィルタの適用検討が進められ、数多くの実用化例が報告されています。カルマンフィルタは、対象とする時系列、あるいはシステムの数学モデルが与えられたとき、雑音が混入した観測データから対象の状態を推定 (フィルタリング) する技術です。 カルマンフィルタの本を紐解くと、制御理論や確率・統計理論などの難解な数学が羅列させていることがありますが、本セミナーでは、カルマンフィルタの仕組みについて、高等学校レベルの数学の知識で理解できるように、できるだけわかりやすく解説します。 本セミナーでは、まず、カルマンフィルタを理解する上で重要な線形システム理論と確率・統計理論の基礎についてまとめます。つぎに、線形カルマンフィルタのアルゴリズムを紹介し、数値例を通してカルマンフィルタの仕組みについて考えます。さらに、線形カルマンフィルタを非線形問題に拡張した拡張カルマンフィルタ (EKF) と無香料カルマンフィルタ (UKF) について解説し、非線形カルマンフィルタの有用な応用例である、状態とパラメータの同時推定問題についても触れます。最後に、カルマンフィルタをリチウムイオン電池の状態推定に適用した例を紹介し、カルマンフィルタを利用する際の勘所について説明します。