第1部 失敗例から解説する開発初期でのスケールアップ/ラボ検討で取得しておくべきデータと活用
(2016年9月29日 10:30~13:00)
- スケールアップ検討に入る前に
- 医薬品開発におけるプロセス化学
- 製剤研究との連携
- 理想的なプロセスとプロセス研究のステップ
- ラボとプラントの違い
- ラボでのデータ取りとその活用
- チェックするべき項目
- サンプリングシートとその活用
- 安定性データ、ストレステスト
- ユーステスト、模擬実験
- 反応危険性評価
- プラントへ移る前に
- 攪拌の課題、ろ過の課題
- プラント機器の材質
- ダミーラン
- コミュニケーション、レビューシステム
第2部 スケールアップ・ダウン検討と失敗例/解決 (対処) 法
(2016年9月29日 13:50~16:20)
スケールアップ検討の最終目的は商用生産にある。経験的に商用生産に結び付けたプロジェクトは多数あるが、スムーズに進んだことは殆どなく、失敗した経験がその後の商用生産に役立つケースが多い。スケールアップで失敗すれば時間、原料費等損害は大きい。特に失敗時の再現実験 (スケールダウン実験) は有益な情報をもたらす。
実際に経験した失敗をどのように解決して商用生産に結び付けたか、実例をもとに説明する。
- スケールアップとは
- 考え方
- チェック項目
- 実験の進め方
~失敗の再現実験 (スケールダウン実験) から得られる情報
- 実例と対応策 (考え方)
- 設備の変更 (設備が腐食、小スケール実験では想定出来なかった)
- 反応後の放置時間 (ジャケットの保温効果が想像以上に良く、オーバー反応)
- 加水分解後の濃縮 (濃縮中に反応が進行)
- 原料のグレード変更:低純度品 (98%) を高純度品 (99.5%↑) に変更して失敗
- 溶解、晶析時間 (再結晶プロセスをスケールアップしたら全く違った品質の中間体が得られた)
- 乾燥機の選択 (水和物→無水和物の変換プロセスで乾燥機の選択を誤って失敗)
- 目的化合物の安全性 (スケールアップ直前で製造中止)
- 危険な中間体 (危険性でスケールアップ不可)
- 文献を参考に先入観を持って検討を開始したため検討に時間を要した
- スケールアップを計画したら目的純度の原料が入手できない (異性体混入)
- 転位反応が原因でスケールアップしたら目的物が得られなくなった
- 小スケールでは再結晶 (溶解) できたが、スケールアップしたら再結晶できなくなった
- スケールアップして大量合成した中間体を保存したら保管中に分解 (重合)
- 溶解操作 (溶解時間の影響、季節の影響) での経験。
- その他 (海外の工場を見学したら不適品の山、異物混入)