(2016年9月28日 10:30〜12:10)
ヒトの触覚をつかさどる皮膚機械受容単位は4種類存在する。これらをはじめとする触覚系の神経システムについて説明し、触覚の心理学的研究には、振動刺激がよく用いられてきた。その研究成果について話す。触覚の研究は19世紀に触二点閾の研究からはじまった。そして現在に至るまで有用な知見をもたらしてきた。その概要を話す。 触覚研究の一例としてテクスチャー知覚実験について解説する。触覚にも錯覚が存在し、錯触と呼ばれている。本講演では、錯触の幾つかを紹介し、なぜ錯触が生じるのかについて考察する。
(2016年9月28日 13:00〜14:40)
「皮膚感覚ディスプレイ」という言葉が確立し、その技術が注目を集め始めてから久しいですが、まだ決定的な技術の確立には至っていないように思えます。これまでに超音波振動を用いた皮膚感覚提示方法が提案されており、それらの方法を紹介しつつ開発動向をご紹介します。また、実用化における問題点について考察してみたいと思います。 超音波を用いたタイプには、提示装置を薄型に構成できる、透明なディスプレイとすることができる、応答周波数を高くすることができるといったメリットがあります。そのメリットを活かした応用例についてもご紹介いたします。
(2016年9月28日 14:50〜16:30)
人間は外界からの情報を得るために、視覚、聴覚、触覚といった五感を有効に活用している。しかしながら現在、計算機によって再現、呈示が可能なものは、視覚と聴覚に限られている。 我々は、形状記憶合金の細線をアレイ状に配置した薄型触覚呈示ディスプレイの構築を進めている。各素子の微小振動パターンを利用して、触覚の幻覚であるファントムセンセーションや仮現運動を生起させることにより、様々な触感覚の呈示が可能である。 本講座では、ディスプレイの構成から、触覚感覚の呈示とその評価、更に触覚呈示デバイスの将来展望を紹介する。