第1部 プラスチック材料の破壊・変形メカニズム
(2016年9月27日 10:30〜12:30)
プラスチックがどのような因子 (主に形状因子) により大きく塑性変形したり、また逆に小さなひずみでぜい性的に破壊するのかを理解し、それを基礎にプラスチックの強度設計の基本を習得することを目的とする。
長い分子鎖を持つ高分子材料がどのように変形し、破壊に至るのかを理解することが出来る。
- 固体高分子材料の弾性変形
- 高分子材料の塑性変形と破壊機構
- 結晶性高分子材料の塑性変形
- 非晶性ガラス状高分子材料の塑性変形
- 高分子材料のソフトニングとネッキング
- 配向硬化
- 延性破壊
- 変形速度が一軸伸張の塑性変形に及ぼす影響
- クリープ負荷での塑性変形
- 高分子構造材料のぜい性的破壊の機構
- ひずみの拘束による応力集中の機構
- ボイドの形成によるぜい性的な破壊
- 変形速度が破壊挙動に及ぼす影響
- 切り欠きを持つ結晶性高分子のクリープによるぜい性破壊
- アルミニュウム合金の破壊との比較
- 高分子材料の破壊条件と破壊力学
- FEMをもちいたデサインの調整による強度設計
- 構造体のひずみの拘束と変形の安定性
- 非晶性ガラス状高分子 (ポリカーボネィト (PC) ) の強度設計
- 結晶性高分子 (ポリオキシメチレン (POM) ) の強度設計
第2部 AFMの原理と破面解析のポイント
(2016年9月27日 13:15〜14:45)
原子間力顕微鏡は試料の凹凸構造を可視化する顕微鏡の一種であるが、材料の力学的性質を画像化するツールとしても利用できる。
その利点を活かした研究事例 (材料の破壊や劣化挙動なども含む) を紹介することで、聴講者に自身の研究への展開の可能性について考えてもらう。
- 原子間力顕微鏡 (AFM) の基礎
- フォースカーブ測定
- コンタクトモードの原理
- タッピングモードの原理
- 位相測定の原理と問題点
- AFMを用いた物性計測の基礎
- 弾性理論の基礎知識
- AFM弾性計測の原理
- AFMを用いた物性計測の応用
- ゴムの伸長メカニズムの解明
- フィラー充填ゴムの補強メカニズム
- ゴムの劣化解析
- 高分子アロイ
- 相互拡散現象解析
- ブロックコポリマー への応用
- プラスチックの破断面の解析
- 生体材料への応用
第3部 プラスチック成形品の破損トラブル (事例紹介とその対応)
(2016年9月27日 15:00〜16:30)
- はじめに
- プラスチック成形品と破損トラブル
- 破損トラブルとプラスチック
- 破損トラブルを起こしやすいプラスチック
- 環境応力割れと割れを起こす要因
- ポリカーボネートとABS樹脂
- その他の材料
- 破壊要因別に見る破損トラブル事例の紹介
- 材料に起因する破損
- 設計に起因するもの
- 保管、前処理に起因するもの
- 成形条件に起因するもの
- 加工条件に起因するもの
- 輸送、保管状態に起因するもの
- 使用環境に起因する劣化
- 破損トラブル発生時の心得
- 地道に一つ一つ把握すること
- 想定外のケースもありことを認識しておくこと
- 一つの試験だけで全ての情報は得られません
- できるだけ比較サンプルを