微粒子分散系をいかに安定化させるか、DLVO理論に基づいて基礎から応用まで徹底的に解説する。キーワードはハマカー定数 (凝集促進因子) とゼータ電位 (分散促進因子) である。
ゼータ電位を与える電気泳動移動度の測定法とその解釈の習得後、分散・凝集を定量的に決定するポテンシャル曲線と安定性のわかる二次元マップの描き方について解説し、分散系安定化のための戦略について述べる。
- 微粒子の集団は必ず凝集する
- 微粒子間の凝集力は構成分子間に働く分子間力に由来する
- ハマカー定数:凝集促進因子
- 微粒子のゼータ電位:分散促進因子
- 帯電微粒子周囲の拡散電気二重層
- 微粒子の表面電荷と表面電位
- 微粒子の電気泳動移動度の測定とゼータ電位
- 電気泳動移動度とゼータ電位を結びつける式
- スモルコフスキーの式 (大きな粒子) と ヒュッケルの式 (非水系)
- ヘンリーの式 (任意のサイズの粒子)
- 緩和効果を考慮した精度の高い式 (ゼータ電位が高い場合)
- 液滴とエマルジョン
- 高分子電解質層で覆われた柔らかい粒子
- 濃厚系の電気泳動
- 振動電場中の電気泳動:動的電気泳動
- 濃厚系における動的電気泳動:ESA法とCVP法
- 微粒子間の静電反発エネルギー
- DLVO理論:コロイド粒子間の相互作用エネルギーの計算
- ポテンシャル曲線による凝集・分散の定量的評価
- DLVO理論によるシュルツ・ハーディの経験則の解明
- 非水系におけるDLVO理論
- 柔らかい粒子の場合
- エクセルを用いたポテンシャル曲線の描き方
- 安定性のわかる安定性マップ