内部に多量のガス (気孔) を含むポーラス金属は、超軽量 (比重<1.0) 、高比剛性 (曲げ) 、吸音特性、振動吸収能、高衝撃エネルギー吸収能などの特徴を有する。その特徴は、気孔の形状や量により、大きく変化する。ポーラス金属の製法は様々であり、固相を利用する方法、液相を利用する方法、化学反応を利用する方法など多岐に渡っている。
今回、様々なポーラス金属の製造方法と、それにより製造されるポーラス構造の特徴及びそれらの性質について紹介する。また、最近注目を集めている3Dプリンタによる製造方法も紹介する。
さらに、応用事例の一つとして、ポーラス構造界面を利用した樹脂/金属の接合方法についても紹介する。
- イントロダクション (ポーラス構造化による材料の多機能化)
- ポーラス構造材料の魅力
- 自然界のポーラス構造
- 様々なポーラス構造のもつ機能・特徴・応用事例
- ポーラス金属の製造方法
- 発泡法
- 鋳造法
- 粉末法
- 反応法
- 粉末積層造形法 (金属3Dプリンタ)
- プリカーサ法によるポーラス金属の製造プロセス
- プリカーサ法によるポーラスアルミニウム発泡挙動
- プリカーサ法によるポーラスマグネシウムの発泡挙動
- プリカーサ法による中空型内でのポーラスアルミニウムの発泡・充填挙動
- 反応プリカーサ法によるポーラス高融点化合物の製造プロセス
- 反応プリカーサ法の原理
- クローズドセル型気孔の気孔率向上のための発熱助剤添加の効果
- オープンセル型気孔の気孔径制御のための吸熱助剤添加の効果
- 中空部材内部への充填技術
- 粉末積層造形法 (3Dプリンタ) によるポーラス (ラティス構造) アルミニウムの特徴
- 熱伝導率
- 力学特性
- ラティス構造アルミニウムの圧縮変形挙動
- ポーラス構造界面を利用した樹脂/金属の接合
- ポーラス構造層を用いた接合の特徴
- ポーラス構造層を利用したエポキシとアルミニウムの接合
- ポーラス構造が接合強度に及ぼす影響
- ポーラス構造層内に作用する応力分布の評価
- ポーラス構造層の傾斜化の効果
- まとめ