第1部 遮音・吸音の基礎理論と性能予測手法
(2016年9月12日 10:00〜12:00)
自動車の客席や建築構造物内の居室などの室内空間の快適性を向上させるためには、静粛性の確保は欠くことができない。本セッションでは、静粛性向上において重要となる遮音と吸音の基礎理論について説明するとともに、それらの代表的な評価特性である透過損失と吸音率の予測手法について説明する。
- 遮音
- 物理的な現象の説明
- 透過率と透過損失
- 挿入損失
- 一重壁の遮音
- 質量則
- コインシデンス周波数
- 理論的な予測手法
- 二重壁の遮音
- 共鳴透過
- 吸音
- 物理的な現象の説明
- 垂直入射吸音率
- 斜入射吸音率
- ランダム入射吸音率
- Delany-Bazleyモデル
- 微細管内における吸音
- 等価流体モデル
- Biotモデル
- 積層型防音材
- 積層構造の利点
- 伝達マトリックス法 (TMM) による予測
- 有限要素法 (FEM) による予測
- 統計的エネルギー解析 (SEA) による予測
第2部 不織布系吸音材料の自動車分野での利用について
(2016年9月12日 12:45〜14:30)
自動車では騒音低減と音響快適化の両面から様々な部位に音対策が講じられていますが、近年はさらなる高性能化と軽量化等の要求を両立させることが求められています。本講演では、こうした音対策の中で主に吸音材における不織布の役割と素材構成と個別の要求特性、さらに今後の技術方向について、弊社品を含む具体的な事例を挙げながら解説します。
- 不織布の分類と使用素材・製造方法 (イントロダクション)
- 自動車における不織布の用途
- 自動車用吸音材における不織布の役割と性能
- 音に関する基本事項と評価技術
- 不織布の基本特性とその利用技術
- 性能要求と具体的事例
- 部位による個別事例と要求特性
- 各種内装
- エンジン周辺
- その他
- 自動車用吸音材における不織布の課題と可能性
- 次世代の方向と性能向上への課題
- 不織布における技術進化の展望
第3部 CAEを用いた自動車車内音予測技術について
(2016年9月12日 14:45〜16:45)
自動車のEV/HEV化によりエンジン騒音が少なくなり、ユーザーの車内静粛性に対する要望は高まっている。特に、ガソリンエンジン車に比べ、タイヤからのロードノイズ (振動伝達音) ・パターンノイズ (空気伝搬音) や高速走行時の風切り音は目立ってしまい、騒音低減が必要不可欠である。上記現象の予測技術と対策手段・改善結果について説明する。
- 自動車の騒音について
- 自動車の主な振動騒音源
- 自動車の主な騒音現象
- 制振材が積層された自動車パネルの有限要素解析
- ロードノイズについて
- 制振材の効果
- 解析手法 (モード歪エネルギー法) と実験検証結果
- 制振材の最適配置手法 (自動車の軽量化)
- 防音材 (多孔体) が積層された自動車パネルの有限要素解析
- フロアパネルまわりの防音構造
- 防音材 (多孔体) の効果
- 解析手法 (多孔体内部空気の数式化) と実験検証結果
- 積層防音材の吸音・遮音解析
- 吸音とは、遮音とは
- 解析手法 (伝達マトリックス法)
- 解析ツールの紹介と様々な積層防音材の計算結果
- 最適積層構造の検討
- ハイブリッドSEAを用いた風切り音を含む車内音予測手法
- SEA (統計的エネルギー手法) とは
- 実験・解析手順
- 要因分析結果・寄与度解析結果と風音の影響
- 自動車防遮音材の軽量化検討結果