第1部. プラスチックの破壊機構と強度設計
(2016年9月29日 10:00~12:35)
プラスチックの強度は勿論高分子材料の構造とその構造の安定性に依存する。どのようにプラスチックの構造を設計すれば、信頼性の高い製品を作ることが出来るかは、プラスチックの破壊のメカニズムを理解することが基本的である。本セミナーでは高分子材料の破壊機構を解説する。
はじめに
- 固体高分子材料の弾性変形
- 高分子材料の塑性変形と破壊機構
- 結晶性高分子材料の塑性変形
- 非晶性ガラス状高分子材料の塑性変形
- 高分子材料のソフトニングとネッキング
- 配向硬化
- 延性破壊
- 熱可塑性高分子の延性破壊
- 熱硬化性高分子の破壊
- 変形速度が一軸伸張の塑性変形に及ぼす影響
- クリープ負荷での塑性変形
- 高分子構造材料のぜい性的破壊の機構
- ひずみの拘束による応力集中の機構
- 弾性変形による応力集中
- 塑性変形による応力集中
- ボイドの形成によるぜい性的な破壊
- 非晶性高分子のぜい性的な破壊
- 結晶性高分子のぜい性的な破壊
- 変形速度が破壊挙動に及ぼす影響
- 切り欠きを持つ結晶性高分子のクリープによるぜい性破壊
- アルミニュウム合金の破壊との比較
- 高分子材料の破壊条件と破壊力学
- デサインの調整によるタフニング
- 構造体のひずみの拘束と変形の安定性
- 非晶性ガラス状高分子 (ポリカーボネィト (PC) ) の強度設計
- PCの真応力 – ひずみ曲線の推定
- PC構造体の破壊条件の推定
- 種々の境界条件でのPC構造体のタフネスの予測
- 切り欠き先端半径の効果
- リガメントの厚さの効果
- 試験片の幅の効果
- 結晶性高分子 (ポリオキシメチレン (POM) ) の強度設計
- POM の真応力 – ひずみ曲線とボイドの形成と拡張状態の推定
- POMの破壊条件の推定
- 種々の境界条件でのPOM構造体のタフネスの予測
- 切り欠きの先端半径の効果
- リガメントの厚さの効果
- 試験片の幅の効果
第2部. プラスチックの強度・衝撃特性とその試験・評価手法
(2016年9月29日 13:25~16:00)
プラスチック材料の強度測定は、ほとんどの材料において測定されています。各メーカーのカタログを閲覧すると数値で記載されており、大変参考になるデータです。これらのデータは、静的荷重と言われ、規格で推奨されている試験方法で行われています。この試験によるデータは上記の通り、参考になるデータなのですが、実製品の使用では、低荷重が長時間かかる現象や高荷重が短時間でかかる現象が多くあります。
本講演では、静的試験と動的試験の違いを説明し、短時間で高荷重がかかる現象 (衝撃) を多く取り扱い、静的荷重試験との比較を行いながら、実際の衝撃試験の様子のビデオを見ながら説明する予定です。
- プラスチックの基礎知識
- プラスチックとは
- 主な強度特性とその測定方法
- 静的試験
- 動的試験
- 材料試験における破壊
- 材料試験における応力集中
- 応力拡大係数について
- 楕円孔による応力集中
- 事例紹介
- プラスチック材料の強度試験
- プラスチック材料における静的強度試験のポイントと進め方
- プラスチック材料における衝撃試験のポイントと進め方
- 事例紹介
- 複合材料の強度試験
- 複合材料についての注意事項
- 複合材料における静的強度試験のポイントと進め方
- 複合材料における衝撃試験のポイントと進め方
- 事例紹介
- 炭素繊維系複合材料の事例
- 天然繊維系複合材料の事例