近頃、バイオプラスチックの意義が変わってきている。一昔前は低炭素社会・ゴミ問題ということを念頭においた話が主流であるが、演者の感じる限り、新規原料としての未利用分子の利用という位置づけから出発し、新機能物質を作成するというシーズ創出型の極めて前向きな材料開発分野となっている。
そこには高分子合成論的なブレイクスルーが必要とされ、また高付加価値の機能も要求される。本講座では芳香族系の未利用バイオ資源を出発分子とする新規光機能性バイオプラスチックの最新の結果をまとめて報告したい。
はじめに ~バイオプラスチックの変革~
- バイオプラスチックとは?
- 従来物と最新物質の「差」
- 意義の変革
- バイオ分子の多様性と発展
- 脂肪族から芳香族への発展
- バイオ分子こそが持つ特徴とは?
- バイオ分子の制御と利用
- 純粋化学の発展
- バイオ分子とホワイトバイオ
- バイオプラスチックへの期待と課題
- バイオプラスチックはどこまで社会貢献出来るのか?
バイオプラスチックへの高付加価値付与
- 耐熱性向上
- 高耐熱化のためのバイオ分子の選択
- 剛直分子の取り扱い方
- 力学物性の向上
- 力学物性と分子構造との関係
- 力学物性のバランスを考えた分子設計
- 分解性の制御
- 分解性とは何か?
- 時限分解性、刺激応答型分解性
- 新規機能付与
- 光誘起形状記憶
- 透明性と高力学強度の両立は可能か?
バイオプラスチックの将来展望
- 市場の現状
- 低コスト化は可能か?
- バイオプラスチックと環境問題
- 高付加価値バイオプラスチックへの期待